瀬戸内国際芸術祭2019!四国村作品tk16「流れる瞬間、うつろう場所」
瀬戸内国際芸術祭2019に四国村にある作品について
「四国村」の作品は「高松港周辺」→「屋島」にカテゴライズされている。
四国村にはtk15「Suitcase in a Bottle」、tk16「流れる瞬間、うつろう場所」が展示される。

tk16は「ひろがる秋」の限定作品で、1か月間しか鑑賞できないようになっている。
tk16「流れる瞬間、うつろう場所」は一つの作品ではなく、四国村内に点在する21作品から成り立っているところが他の作品との大きな違い。
▼高松港周辺レポートに掲載すべきところだけど、21作品もあるのでここにまとめる。
四国村は見どころ満載で、作品を追いながら他のスポットもあるんだけど、今回は作品だけに絞って掲載する。
▼四国村の参考記事
開村時間・料金
開村時間は8:30~18:00。
(イベント開催日は17:00)
※開館終了時刻の1時間前までに入園のこと。
入村料は一般1,000円、高校生600円、小中学生400円。
(パスポート提示で入村料半額)
四国村に入村してしまえば作品鑑賞はすべて無料。
作品
東京藝術大学とシカゴ美術館附属美術大学による国際共同プロジェクトの21作品をレポートしよう。
「ホールディング・オン(ビリー・カーターの記憶)」ビリー・カーターランキン

半年前に亡くなられたお父上との関係を見直して出来上がった作品。

心よりご冥福をお祈りいたします。
「与えられた椅子」髙木彩圭

畳の上に置いた椅子、個人の在り方を問う作品。
「なんか流れて来た」長島友治

流れて来た木、拾ってきた石で人間の関係性を表現した作品。
香川漆芸の伝統技法「象谷塗」で装飾している。
「思考する井戸2019」保科豊巳

この「旧河野家住宅」には井戸がないんだって。
それで井戸を作ったとのこと。
作品の前にある解説文を読まずにいたんだけど、井戸をのぞき込むと空があり、雨の風景が映っていると書いてある。
私はいつも感性が足りないねぇ・・・
「動」橋本瞭

以前は人間にとって「ちから」が重要な要素だった。
機械化、自動化の世の中では「ちから」は不要なのか?ということを訴える作品。
私はちからがあった方がいいから筋肉トレーニングをしてるよ(^^♪
「砂糖うし小屋」伊藤五津美

香川県は塩、綿、砂糖が特産品。
讃岐三白(さぬきさんぱく)というんだよ。
ここは砂糖を作る小屋で、動力は牛だった。
牛は身を削って動き、砂糖が出来上がる。
作品は砂糖でできている(笑)
とてもユニーク。
「Where Are You From?」舒顔

とにかく四国村の作品はメッセージ性が強いというか、哲学的でとても脳が刺激される。
写真では分からないけど、音声もあって、五感で楽しんで欲しい作品。
「いい男は見つけるのが難しい:男たちとの取り越し苦労」ダン・プライス

熊手に軍手が被せてあるという作品。
男である私の解釈によると、器用さと力強さを両方兼ね備えた男性は少ない、ということかな。
何となくわかる。
私見だけど、女性が女性に対して「可愛い」とほめているのを見ると、男性からするとあまり可愛くないことが多い。(失礼)
でも、男性から見て、「この男性は女性にモテるだろうな」という見解はほぼ正しい。
と、この偏った考え方、この女性からバッシングの声が聞こえてきそうな考え方がダメなんだと自覚しているよ(笑)
こんな思考も取り越し苦労になる(笑)
「再び、見る、消え去る光」滑惜子

いつもは入ることができない大久野島燈台の中に入ることができる。
中に入ると床に映像が流れている。

電車に乗って外の風景を撮っている映像かな?
順番待ちの方が外で待っているのでゆっくり見られなかった。
「水面を連れる」諏訪葵

フラスコにあたる光が揺らいで、室内を照らす。
その映像がリアルタイムでモニターに映し出されている。
▼もう一つあったけど、こちらは揺らいでいない。

「地図のすべて」アラン・ラブ

この作品はとても面白かった。
玉藻公園内、高松城址の写真が貼られた扉を開けると・・・
玉藻公園披雲閣の写真の扉が現れる。

そしてさらに開けると・・・
披雲閣の蘇鉄の間。

あ、随分リアルに見えるけど写真だからね。
こうやって開けるとつくりが分かりやすいかな。

披雲閣については以下をご参考に。
「ユニゾン(積乱)」レイク真由美

奈良・平安時代に用いられた模様「宝相華」。

素晴らしい!

「私たちは死なないことに決めた」ジェニファー・トレイナドージ

流政之氏の「染が滝」とコラボした作品。

千利休の侘び寂び茶室からインスピレーションを得ている。
流政之氏の作品については以下をご参考に。
誰もが「死にたい」と思ったことがあるだろうけど、みんな死なないでね。
「隠居屋」ミヒャエル・W・シュナイダー

先入観とテクノロジーに警鐘を鳴らす作品。

古民家に蛍光ビニールシートは映えるね。
「どれだけのものを私が背負っているか、あなたは知らない」チェルシー・エマカーバン

日本に避難しているアフリカの移民労働者の写真と、タンスに映し出された映像作品。



「懐かしい」オリビア・アロンソ・ゴウ

アーチ橋の下に吊られた風鈴。
よく風の通る場所だからいい音が鳴り響いている。
「(長いさよなら)こんなのにお金を払ったんじゃない」フェレル・ガラモン

この作品の説明を読んでいると、すごく刺激的。

解説文は作品の前にしかないので、ぜひこの哲学に触れていただきたい。
「崩壊」エリザベス・F・コーテ

崩壊に対する解釈、難しい。
形あるものはすべて壊れるってことね?
何事にも依存せず、失うことを恐れないように生きたいものだ。
「フェンス」小林みなみ

卵テンペラ絵具をおもな素材として描かれた絵。
外と内の隔たりが曖昧な美しい日本家屋からインスピレーションを得た作品。
「いつかのくらし」堤有希

旧丸亀藩斥候番所につくられた作品。
開放的な表側に対し、閉鎖的な裏側に着目。
黒いレースで囲ってあるだけかと思いきや、中にはいろんなアイテムが。

見えないように中にいろんなものが置かれてあるところが奥ゆかしい。
「漁師のごみ山」E・サフローニア・ダウニング

タコが安心して住むことができるシェルター、人間がタコを獲るためのタコ壺、そしてプラスチックやポリエステル。
環境問題を取り上げた作品。
まとめ
四国村にはよく来るのだけど、こんなに作品で彩られていることにびっくり。
四国村はとてもいいところなんだけど、PR不足か、入場料が高いのか、イマイチ来場者が少なかった。
(香川県はとにかくPRが苦手・・・でも瀬戸内国際芸術祭だけは違う)
瀬戸内国際芸術祭の効果で来場者がたくさんいたよ。
四国村がもっとみんなに知られて、これからも発展していくことを祈る。
なんたって私が尊敬する流政之氏、猪熊弦一郎氏も携わっている場所だからね。
あ、安藤忠雄氏建築の美術館もあるし、とにかく素敵な場所だよ。
▼瀬戸内国際芸術祭2019についてまとめているのでご参考に。