瀬戸内国際芸術祭2019!「高松港周辺」編
瀬戸内国際芸術祭2019の春の部「ふれあう春」と夏の部「あつまる夏」にかけて「高松港周辺」の作品を鑑賞してきたのでご紹介しよう。
公式サイトではトップカテゴリを「高松港周辺」としており、細分すると「高松港」、「屋島」、「竜王山」、「高松空港」の4つのカテゴリーから構成されている。
公式サイトによると、「高松港」の作品群をトップカテゴリーと同名の「高松港周辺」と表現しているから誤解のないように。
しかし、まだすべてをレポートできていないこと、ご容赦いただきたい。
随時更新していく予定。
▼瀬戸内国際芸術祭2019についてまとめているのでご参考に。
高松港周辺
(作品Noなし)「北浜の小さな香川ギャラリー」ドットアーキテクツ
北浜アリー中心部の場所を指している。
後述する「うちわの骨の広場」という作品のうちわの骨が写っている。
tk01「Liminal Air -core-」大巻伸嗣
香川県がアートの県であることを象徴するかのように以前から高松港にある作品。
tk02「国境を越えて・海」リン・シュンロン(林舜龍)
台湾から流れ着いた木の実「ゴバンノアシ」をモチーフに制作された作品。
「ゴバンノアシ」はサガリバナ科の常緑高木。
「サガリバナ」といえば沖縄にしか咲かない花なんだけど、京都の温室で見たね。
ゴバンノアシもこんな花を咲かせるそうだ。
会期中は内部に入ることができる。
入り口に牛さんがいたよ。
心なしか入ってすぐにあるカエルさんと呼応しているかのよう・・・
吊ってあるのはドラ。
鳴らしてもいいんだよ。
tk03「銀行家、看護師、探偵、弁護士」ジュリアン・オピー
琴電築港駅前にある作品。
随分前からあるね。
名勝「披雲閣庭園」や高松城址を擁する玉藻公園の西側にある作品。
平面なのにすごく浮き出てくる感じがいい。
tk04「待つ人 / 内海さん」本間純
JR高松駅にある高速バス待合所の外壁にある作品。
JR高松駅の高速バス待合所にある作品。
ん?何か不思議だぞ・・・
見えているようないないような・・・
背景に合わせた模様で作品を作っているんだね。
カメレオンのよう。
待合所に映像作品「内海さん」が上映されているとのことだけど、本日は会期外なので見ることができなかった。
※会期中の予定時間に行ったんだけど上映されていなかった・・・またリベンジ。
モニターの下の説明書きを以下に掲載。
本間純
待つ人 Waiting for
内海さん Mr.Inland sea
この待合所の建物の外観に、何か違和感を感じたでしょうか?その違和感の正体は、外壁に溶け込むように、風景そのものをまとった彫刻です。この「見えない彫刻」は、皆さんが普段何気なくみている風景に、時間や空間のひずみを感じていただき、風景を主体的に観ていただく作品です。「見えない彫刻」を見て、探し、その彫刻の持つ形や意味を理解しようとするとき、作家が探したこの土地固有の形や歴史、風土を感じていただけると思います。
また、待合所内に設置された映像作品「内海さん」は、本島の臨海で撮影されたもので、作家本人が海に溶け込む衣装を着て、船を漕ぐというパフォーマンスを録画したものです。
どちらの作品も瀬戸内国際芸術祭2013の一環として製作されました。
tk05「I’m here. ここにいるよ」谷山恭子
高松市民プール内、夏の部限定作品。
行ったんだけどプールに入場しなければいけないこと、写真撮影は禁止ということで、外から鑑賞。
ただ水着の方々がいらっしゃるので、不審者に間違われないようにご注意を。
tk06「北浜の小さな香川ギャラリー うちわの骨の広場」西堀隆史
北浜にある夏、秋の部の作品。
香川県丸亀市は「うちわ」で有名。
「うちわのミュージアム」を次回補足でレポートしてみたい。
※管理人はよく行っているのだけど未レポート・・・
ここは夜でも鑑賞できるよ。
tk07北浜の小さな香川ギャラリー LEFTOVERS
北浜にある夏、秋の部の作品。
これも24時間鑑賞が可能。
tk08「北浜の小さな香川ギャラリー 香川漆芸 監修:山下義人」香川漆芸
北浜にある「206 TSU MA MU」さんの2階にある夏、秋の部の作品。
香川県には漆芸の人間国宝の方が多いんだよ。
tk09「北浜の小さな香川ギャラリー うどん湯切りロボット」石原秀則
北浜にある「206 TSU MA MU」さんの2階にある夏、秋の部の作品。
くじを引いて当ったのでうどんロボットさんがうどんを作ってくれたよ~(^^♪
名前はまだなくって募集中なんだって。
ロボットさんが説明しながら作ってくれた。
窓際に薬味があって立ち食い可能。
乾燥ネギは初めて見たよ。
早く名前がつくといいね。
tk10「北浜の小さな香川ギャラリー Watercolors」ニコラ・フロック
北浜にある夏、秋の部の作品。
麦わらの笠を使った作品。
この笠はこのビルの5階で販売している。
tk11「北浜の小さな香川ギャラリー Izumoring—cosmos of rare sugar」太田泰友×岡薫/香川大学国際希少糖研究教育機構
北浜にある夏、秋の部の作品。
希少糖は香川大学が研究を進めている甘味料。
カロリーがほぼ0、甘味は砂糖の70%で、化学調味料を使用していない天然素材。
床に希少糖があってスリッパに履き替える。
tk12「DOMMUNE SETOUCHI」宇川直宏
夏のみ限定、ライブストリーミングの会場を鑑賞するというプログラム。
夜に行ってきた。
公式サイトがGoogleマップが示している場所は違う場所だった。
公式サイトはいかがわしいお店を示している。
どういう意味かな?それも狙いなのかとも思ったんだけど不明。
到着すると、ここも元いかがわしいお店。
私は本日のゲストたちの音楽性がまったく合わず、2時間いたんだけど苦痛だった。
(私の趣味に合わないだけなので、ディスっているのではない)
高松空港
高松空港にある「ウェルカム」、「ファニーブルー」という2つの作品。
tk19「ウェルカム / ファニーブルー」ヴェロニク・ジュマール
あのブルーのガラス、見る角度によって虹色に変化するんだよ。
あ、木製の椅子、あれはジョージ・ナカシマさんの家具だね。
香川県にお越しの際は、ジョージ・ナカシマ記念館もおすすめだよ。
ゴールドに輝く作品で、ファニーブルーの青い色が上部に反射している。
空港の出入口付近なので風でユラユラと動く。
屋島
屋島の作品群は「四国村」、「屋島山上」にあるよ。
▼よろしければ以下をご参考に。
tk15「Suitcase in a Bottle」ラム・カツィール
四国村にある作品。
入村するとすぐに「祖谷のかずら橋」がある。
早速作品がお出迎え。
ボトルの中にスーツケースが入っているわけだ。
橋は揺れるし、足場が悪いのでカメラを落としたり転ばないようにね。
係の方から教えていただいたんだけど、以下tk16は秋限定の作品だと知った。
tk16「グローバルアート共同プロジェクト」東京藝術大学×シカゴ美術大学付属美術大学
四国村の秋限定作品。
この作品は四国村にある21作品群なので、別記事にまとめた。
tk17「S.F(Smoke and Fog)」金氏徹平
屋島山上にある作品。
駐車場から徒歩10分くらいの場所にある。
庵治石のオブジェ。
反対側の景色は庵治石の採掘場だよ。
屋島の山頂の観光事業は発展と衰退があり、そして再生へと向かった歴史があるからね。
地元に住むものとして少しジーンときた。
竜王山
竜王山は高松市といえど、庵治町というところで、高松市中心部から少し遠い。
鑑賞するには自動車が必須だよ。
tk18「Watch Tower」ジョン・クルメリング
ウォッチは「見る」と、「時計」をかけている。
そして・・・
この鳥さんは・・・
日時計になっているんだよ。
瀬戸内海の眺めがとてもいい。
▼中心にある島は女木島。
その他
香川県立ミュージアムの2作品。
tk13は春~秋の開催、tk14は夏のみの作品。
【春の部限定】tk13「自然に挑む 江戸の超(スーパー)グラフィック―高松松平家博物図譜」
「tk13」のこの作品は春の部限定で夏と秋は後述するけど内容が変わる。
今回の超目玉だった作品。
徳川家康さんのお孫さん、松平賴重さんから始まった高松藩。
松平賴重さんは特別名勝「栗林公園」を整備したお方。
5代目の頼恭(よりたか)さんが作った博物図譜が素晴らしすぎたんだよ。
図譜は、水生生物を描く「衆鱗図」、鳥を描く「衆禽画譜」、植物を描く「衆芳画譜」「写生画帖」の4種13帖から成り立っている。
撮影禁止で残念。
▼入り口にレプリカがあったので撮影。
約2000の動植物の絵が展示されていた。
魚、鳥、花と緑。
魚は目の透明感、模様の質感などが実物と思うほど。
こんな技法が200年前にあったなんて想像もできない。
さらに立体感を生むために、書かれた動植物は奇麗に切り取られ、台紙に貼り付けられている。
▼以下の作品は、実際にどれだけ大変か切り取ってみようというワークショップ(200円)の見本。
これを切り取るのに6時間かかったとのこと・・・
館内放送で案内があり、松平頼恭さんについての講演が始まる。
昨日睡眠不足で寝てしまった(泣)
なんともったいない・・・
松平頼恭さんが作らせたこの図鑑、説明や解説は付かず名前と絵のみで、「目で触る」というところだけ印象に残っている。
今にも動き出しそうな動植物の絵たち、まさしく目で触らせていただいたよ。
これはNHKでも取り上げられた作品で、「来場者が押し寄せてんてこまいだ」ということも合わせて印象に残っている。
会場を出る時、思わず係の方に確認してしまった。
「あ、今さらですけど、これらの作品は複製品ですか?」と聞くと、「すべて本物です」とお答えいただいた。
愚問だった・・・
【夏の部限定】tk13祭礼百態―香川・瀬戸内の「風流(ふりゅう)」
春の部では上記の「自然に挑む 江戸の超(スーパー)グラフィック―高松松平家博物図譜」がtk13だったけど、夏の部はこちらがtk13に変更される。
秋の部はまた内容が変わる予定。
レポートできるかな・・・
※できなかったよ(泣)
【秋の部限定】tk13「日本建築の自画像: 探求者たちのもの語り」
建築の巨匠について、また香川県の建築について学ぶことができた。
特に香川県庁を設計された丹下健三氏について触れることができた。
上の写真、左端が丹下さんだよ。
香川県庁は現在、修復工事中だけど2019年12月に工事が完了する。
日本画家「鈴木龍子」氏と日本建築学会の協力でイメージ再現された。
大東亜建設忠霊神域計画とは、富士山麓に戦没者を慰霊するための神域とするもの。
直島の瀬戸内国際芸術祭2019の「直島ホール」の模型が奥に見えるね。
香川県に関係するものの中からほんの少しを掲載した。
かなり大掛かりな展示で、日本の建築の歴史を網羅している。
よくこれだけの資料がそろったものだなと感動した。
学芸員ガイドさんも一緒にまわってくれるのでとても勉強になるよ。
私は質問をたくさんして2時間くらい滞在した。
とても楽しい時間をありがとうございました。
tk14「宮永愛子:漕法」宮永愛子
高松市立美術館で展示されている。
おそらく写真撮影禁止かなと。
※第1会場は撮影可能、第2会場は撮影禁止だった。
夏限定の作品。
場所は高松市立美術館。
第1会場の代表的なものを掲載するね。
とても感動した。
ナフタリンを中心に使ったアートが良かった。
ナフタリンはタンスなどに入れる防虫剤に使われている。
空気に触れるとなくなっていくアレね。
これはガラス製。
これもガラス製の本。
気泡が涼しげだね。
無限に思考が続くよ。
この作品は、帆船がナフタリンでできていて、会期中にどんどん崩れて気化していく。
上側に結晶のようにくっついているのは気化したナフタリンかな。
すごい発想だ。
これはナフタリンでかたどった鍵を樹脂製の透明なスーツケースで包んでいる。
赤いロウは空気穴で、あれを外すと作品が変化していく。
ここも独特の世界観。
透明な樹脂に空気を閉じ込めている。
第2会場に行くと、撮影禁止であることがよく分かる。
上記の作品も鳥肌が出る作品で息を飲んだんだけど、第2会場は思わず声がでてしまうほどの力作。
凍っている時計、椅子を気泡の入った樹脂で閉じ込めている。
発想、作品の完成度が素晴らしい。
作品のテイストがガラリと変わるサヌカイトの作品も形が絶妙で、鳴らすことができるんだけど、とても癒された。
その中に、協会の鐘のような音がするサヌカイトがあり、何回も鳴らしてしまったよ(笑)
一気に宮永さんのファンになった。
まとめ
北浜は瀬戸内国際芸術祭をやっていない時期でもアートな空間。
レポートできていない作品をまた楽しみたいね。