瀬戸内国際芸術祭2022「沙弥島」編
瀬戸内国際芸術祭2022が始まった。
コロナ禍で、半ば強引に始まった感も否めず賛否両論あるようだ。
しかし密を避けて、危険を感じたら撤退する姿勢を持って鑑賞していこう。
秋から始まる会場もあるし、始まっていても作品の中には夏から始まるという会場もあるので、優先すべきは春のみ開催の沙弥島。
※沙弥島、直島を除き、どの会場も春は完全に公開していないんだけど、直島は逆に夏に公開しない作品があるので、次は直島一択かな。
沙弥島は「島」と表記されているけど、島ではなく陸続き。
自動車で行くことができるよ。
沙弥島、与島(鍋島灯台)へのアクセス
沙弥島はマイカー・レンタカーの場合、瀬戸大橋記念公園に自動車をとめて徒歩で行くことになる。
沙弥島にある4作品はすべて歩いてまわることができる。
今回の沙弥島会場は、沙弥島に加え与島の鍋島灯台が会場になっている。
そこが少し難しいミッションだね。
でも、与島鍋島灯台の作品は2つあって、すぐ近くまで坂出駅から臨時バスが出ている。
(片道500円~600円程度)
単独で行く場合は、自動車で与島PAまで行って帰ってくるパターンと、坂出駅から従来通りあるバスを利用するパターンの2つ。
(与島PAから鍋島灯台まで徒歩15分)
臨時バスがあるのに、利用することはあまりないと思うんだけど、岡山の作品(宇野港周辺、犬島)を絡めると、ないパターンでもないかな。
作品をご紹介するよ。
沙弥島の作品
沙弥島の作品は「sm」で表示されている。
sm01、10、11、12の4作品で、sm12の作品は沙弥島から与島の作品まで繋がっている。
02~09は前回にはあったんだけど、基本的に継続するんだね。
sm01とsm10は前回の2019にもあった作品だ。
sm01「階層・地層・層」ターニャ・プレミンガー
見たら絶対登る(笑)
瀬戸大橋もまぶしい。
sm10「八人九脚」藤本修三
瀬戸大橋記念公園内にある作品。
座って瀬戸大橋や瀬戸内海を眺めるとほっこり(^^♪
sm11「幻海をのぞく」南条嘉毅
▼西の浜の手前を右に行くとナカンダ浜。
左に行くと坂出市万葉会館がある。
前回はここも会場だったんだけど今回は違うよ。
反対側の一般家屋が会場になっている。
今日は万葉会館でイベントがあって、瀬戸芸の会場ですか?いや違います、のやりとりが何回も行われていたよ(笑)
部屋に入るとフラッシュ撮影、動画撮影が禁止。
こういう細かい演出がいいね。
いざ入室。
とても不思議な空間。
床に映像が映し出されているんだけど、どこまでが現実で、どこまでが映像なのか暗くて確認できなかった。
変化を続ける瀬戸内海を表現している。
部屋の周りにも作品が。
窓から西の浜が見えた。
何を照らしているんだろう?
想像力を掻き立てられる作品だ。
sm12「月への道」レオニート・チシコフ
レオニート・チシコフさんは前回も沙弥島、旧沙弥小・中学校で出展されていたね。
女の子が怖がっていたので、「怖くないよ」とアドバイスしてあげたんだけど・・・
結構小さい子どもには怖かったかも(苦笑)
作家が故郷ウラルで撮影した映像作品です。作家は天使の羽根をつけて雪山に登り、そこから飛び立ち、雪の静寂のなかに消え去ろうとします。
頭上では夜の星が瞬いています。
私の部屋は明るい/夜の星のおかげで。/
母はバケツを手に取る/黙って水を運んでくる……
詩人ニコライ・ルプツォフの詩を連想させるこの作品は、幼年時代と家族の記憶を主題としています。
独特の世界観。
作家は、古い家族のアルバムから故郷ウラルの人々の写真を集めて、映像を制作しました。彼らはすでにこの世を去りましたが、星に姿を変え、宇宙の一部となって生き続けています。19世紀の哲学者ニコライ・フョードロフが人間の不死を願ったように。
音楽は、2022年3月、アレクサンドロス・マイアリスが彼のロンドンのスタジオでこの映像のために特別に作曲したものです。
いろんな顔が浮かび上がっては上に消えていく。
少しホラーだけど、なんか癒される。
一旦校舎を出て、次の作品の順番を待つ。
2022年4月、3人のアメリカ人宇宙飛行士が月に降り立った「アポロ16号」の飛行から50周年です。この宇宙飛行に参加した月着陸船操縦士チャールズ・デュークは、当時、月に自分の家族写真を持っていき、その写真を月の表面に置きました。
本作は、家族を置いて遠い旅に出なくてはならなかった宇宙飛行士についての物語であると同時に、私たち皆についての物語でもあります。なぜなら私たちは、この地球にほんの短い予定で来ただけで、やがて自分の家や親しい者を永遠に置き去りにしなくてはならないからです。でもその時、宇宙が人間の新しい家となるでしょう。
次の作品を見ると、この写真が何かつながる。
スーツケースを持っていて、もう旅で出る準備は万全。
見ているテーブルの上の写真たては・・・
家族の写真。
儚い、切ない・・・胸が痛くなってきた。
隣の部屋に行くと、天井には地球。
たどり着けたんだね。
月面には家族の写真。
「万葉集」に収められた、柿本人麻呂の短歌に捧げる作品です。
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ
かつての柿本人麻呂は、沙弥島の浜辺に立ち、海を眺めました。それから千年近く経つ今も、海はその時と同じように力強く美しいままです。そして、その時と同じ月が雲間を漂い、私たちは月の舟に
乗って永遠の宇宙へ旅立ちます。
月からは宇宙と学校が、緑の丘が、かつての私たちが学校へ通った道が見えるでしょう。学校は、私たちが学ぶだけではなく、友人を見つけ、恋をして、宇宙への飛行を夢見る場所なのです。
階段を上る。
眺めが少し良くなる(^^♪
宇宙旅行と月への飛行を夢見た学者コンスタンチン・エドゥアルドヴィチ・ツィオルコフスキー(KETs)の工房です。彼は学校で算数を教えながら、飛行体を発明し、最初の宇宙ロケットを設計図を書き、SF小説を執筆しました。天井からは、宇宙ステーション「KETsの星」や飛行船の模型がつり下げられています。彼が科学者として監修した映画『宇宙旅行』(1936年)の一部も上映されています。
説明文のように分かりやすく展示されてあるね(^^♪
前回は控えめ(?)だったレオニート・チシコフさん、今回は世界観大放出だったね。
でもまたこの世界観は続くんだよ~
与島の作品
与島5島は昔陸続きだった。
与島5島とは櫃石島(ひついしじま)、岩黒島(いわくろじま)、与島(よしま)、瀬居島(せいじま)、沙弥島(しゃみじま)のこと。
sm12「月への道」レオニート・チシコフ
おろ?
「月への道」はとても長く、一生のあいだ、列車を乗りかえたり、遅れることもあるバスを待ったりしなくてはなりません。この浦城のバス停が、私たちの友である宇宙飛行士にとって最後の停留所になりますように。バスが来るまで彼が待ちつづけて、この不完全な世界に「さようなら」を行って、月に出発できますように。
すぐ近くに鍋島灯台があって、そこに作品があるよ。
普段は立ち入ることができない場所なんだ。
「月への道」は鍋島灯台まで続いています。灯台の中には、100万個の星をもつ「宇宙の立方体」があります。そして、灯台の光というひとつの星があります。私たちはいつか月に行くことがあれば、月から灯台の光を見ることでしょう。それはたやすいことなのです。灯台が放つ赤と緑の細い光線の上に立ち、空へ出れば、波立つ雲のあいだで月の舟が私たちを待っているのです。
入るとドアが締められた~閉所恐怖症のわたしには怖かった(+_+)
あ、綺麗だ。
美しい。
鍋島灯台、普段は来ることができないからお得感あり。
▼お隣の小与島。
いつか行ってみたい。
その他
流政之氏の作品
沙弥島会場にアートを見に来たなら、香川県のアーチスト流政之氏にも触れていただきたいね。
香川県のアートを学んでいけば、必ず出会うであろうお方。
猪熊弦一郎氏、ジョージナカシマ氏、イサムノグチ氏などと活躍され、屋島のふもとにある四国村設立の時は尽力されたお方。
鍋島灯台から与島PAまで歩いてみた
鍋島灯台と与島PAは徒歩で行き来できるので、歩いてみたよ。
▼ハマダイコンがいっぱい咲いている。
▼カネノナルキに花が。
瀬戸大橋の下をくぐる。
15分くらいで与島PAに着くよ。
案内表示も瀬戸内国際芸術祭開催中は分かりやすく表示されている。
まとめ
瀬戸大橋記念公園も見どころ満載なので、ゆっくり周辺の散策もしていただきたい。
▼こういう現地の方々の愛情を見ると嬉しくなるね。
沙弥島ナカンダ浜もとても美しい。
▼沙弥島にもハマダイコンがいっぱい咲いていた。
2019年の記事を振り返ってみたら、ちょうどハマダイコンを撮っていた(^^♪
作品を巡りながら、すごくワクワクして3年前を思い出して胸が熱くなってテンションがあがった。
また涙も出そうになった。
瀬戸内国際芸術祭って、すごくいいなってあらためて思った。
瀬戸芸って、とにかく優しいんだよ。
こんなにも優しさに触れられるアートって他にはない。
さて、瀬戸内国際芸術祭2022、これから全作品を追いかけていくよ~
あ、沙弥島で知ったんだけど、瀬戸内国際芸術祭ではないんだけど、瀬居島(せいじま)でもアートプロジェクトが開催されている。
瀬居島にも行ってみたいね。
期間は2022年4月14日~5月18日だから瀬戸芸2022の春と同じだ。
次回は直島に行くよ(^^♪