瀬戸内国際芸術祭2022「大島」編
大島は高松港からフェリーで約30分。
新型コロナウイルスの感染拡大により、入島禁止となっていたけど今月16日から再開。
しかし「大島」、「犬島」、「本島」、よく見ないと分からないのは私だけかな・・・
入場は50人の制限となっているけど、何とかフェリーに乗ることができた。

国立療養所大島青松園がある島で、フェリー料金は無料。
長く差別を受けて来た島。
そのことを知りながらアートに触れるという、他の島とは違った趣向となっている。
さて、9:20高松港発9:50大島到着。
大島の作品は他の島と違って10:30営業開始。
os11「リングワンデルング」鴻池朋子を見に行くといい。
(2022年8月21日現在、閉鎖中なので行く前に公式サイトをチェックするといいね)

キョウチクトウが美しい。
島々も美しいね。
以下作品No.順に掲載するよ。
os08は2つあるのでご注意を。
os01「青空水族館」田島征三

奥に行くと他のアーティストさんの作品もあるよ。

制作協力
石井晴雄
堀内槙子
宮崎喜一


制作協力
村上加代子
音楽
塩澤文男・久保瀬三郎
複数ある小窓から作品を鑑賞する。
窓によって見え方が違うのが面白い。


制作協力
藤田靖正
露木昌彦
米山耕

作品名を記録しなかったんだ・・・失礼。

2019年にもあった作品で、前回の反省はこれらの作品の名前を調べることだったのに・・・

2019の写真を見ていて気が付いたんだけど、この先にも作品があったはず・・・
失敗した~
os02「森の小径」田島征三

本日は雨が降って中心部に池ができていたよ。

なかなかいいね(^^♪
os03「「Nさんの人生・大島七十年」-木製便器の部屋-」田島征三

メッセージ性の強いアート。

離郷
すぐ治って帰れると思うちょった。
けんど母はかみのけをふりみだしどこまでもバスをおわえてきたのがふしぎだった。
現代に住む私たちからは考えられないことが起こっていた。


強制労働
まだ軽症のぼくは重傷者の看護をさせられた。
便器も足りなかった。

結婚・中絶
けっこんしてやんがてこどもができたがよ。
本当はうれしいことやのに、
つらいかんしいことばかりやった。

予防服
タタミの上で寝ゆうに、全身予防服でかためて、土足で上ってくる。
ピンセットでクスリを渡すし、こちらからわたしたものは、消毒液にひたして・・・・

この人たちは古ダタミと同じ。
たたけばいつまでもホコリ(ハンセン病菌)が出る!
死ぬまでとじ込めておけ。

光田さんは、力の強い側(権力・製薬会社)、大多数の側(差別する側)に立って「立派な人」になった。
でもぼくに、光田さんを非難できるだろうか?
この国でNさんと同じ70年を生きて、Nさんのことを知らなかった。知ろうともしなかった。
Nさんに対してぼくは罪を冒しつづけてきた。
田島征三

わしは治っている
菌(ほこり)なんかずっと前から出てない。
光田さん!なぜわしを30年余分に閉じ込めた!?
ハンセン病の歴史を語るにはすごく分かりやすい事実。
os04「稀有の触手」やさしい美術プロジェクト
まずは公式サイトの作品説明を。
大島で暮らした人の熱を伝える場所を
大島の歌人、斎木創の歌「唇や舌は麻痺なく目に代る稀有の触手ぞ探りつつ食う」には自らの命を燃やし続ける人の生々しい姿がある。遺されたものを通じて大島の一人ひとりから放たれた体温に触れるような場所をつくる。

差別もさることながら、日々の生活も大変なことなんだ。



os05『{つながりの家}GALLERY15「海のこだま」』やさしい美術プロジェクト

島に唯一遺された木造船
os06「歩みきたりて」山川冬樹

終戦後、モンゴル抑留中にハンセン病が発覚し、大島で暮らした歌人、政石蒙。政石の足跡を巡って、モンゴル、大島、松野(政石蒙の故郷)を旅し、各地で撮影した映像と遺品によるインスタレーションを制作。

張り詰めた空気。

独特の空間で鑑賞するアートはまた違ってくるね。




os07「海峡の歌/Strait Songs」山川冬樹
山川冬樹さんが大島と庵治町を泳いで渡った映像の記録。

あ、ちなみに大島も庵治町なんだよね。
変な表現になったな。
四国側から見た大島、かな。
反対側にまわると・・・


海峡の歌
心の耳を澄ませてみてください。この島の至るところでこだまする、遠吠えの声が聴こえるでしょうか。
「遠吠え」とは精神が肉体を置き去りにして、距離を隔てた誰かのもとへ飛んでいこうとする力が、声になって表れたものです。「遠吠え」は「叫び」ではありません。「叫び」が目的地を持たず、叫ぶ主体がその主体のまま発する強い声であるのに対して、「遠吠え」は吠える主体が声そのものになって何処かへ飛んで行こうとするトポロジーなのです。その「遠吠え」が精神の飛翔にとどまらず、本来置き去りにされるはずの肉体をも一緒に島の外へ連れていくに至ったとき、人はそれを「脱走」と呼んだのでしょう。
かつてここ大島から四国本土は庵治の海岸まで、海を泳いで渡ろうとした人たちがいました。そのうちの多くが潮に流され対岸に辿り着くことなく亡くなったといいます。「隔離する=isolate」という言葉の語源には「島=isle」があるといいますが、周りを海に囲まれたこの島ほど「隔離」と象徴した島もないでしょう。大島からはいつも対岸に庵治が見えています。そして庵治からもいつも大島が見えています。しかしその相対する眼差しとは裏腹に、ここから庵治までの距離は実際に数字で測れるよりもずっとずっと遠いものでした。
あるとき私は向こう側へぐるっとまわって、四国本土からこの島を見てみたいと思いました。そして庵治側の海岸に立って大島を眺めていると、そこに生きた人たちの遠吠えが、海と時の隔たりを越えてたしかに聴こえてきたのです。
遠吠えを聴いた者はそれに応えねばなりません。だから私は海を渡るのです。対岸に住む子供たちの声帯を通って蘇る、海の歌とともに。
「遠吠え」はos11「リングワンデルング」鴻池朋子にもつながっていくんだ。
そして高松市庵治町にある恋人の聖地「城岬公園(しろばなこうえん)」と大島は航路でつながっている。

社会交流会館の作品
社会交流会館には4つの作品が展示されているんだけど、ボーダーレスなのでこのように紹介させていただこう。

ここにos08の2つ、os09、os12が展示されている。
os12「物語る金の豚」鴻池朋子は見当たらなくて、係の方にお聞きしたんだけど不明(笑)
鴻池朋子さんの世界観は凡人の私には理解ができないところもあって(あ、いい意味で)
2019の時もリングワンデルングの作品の場所が分からず、係の人に聞いても分からなかった(笑)
その時は「アーティストさんの方とうまくコミュニケーションを取ることができておりませんで・・・」との説明だった。
今回の係の方は鴻池朋子さんのことをべた褒めされていたよ(^^♪
私も高松市美術館でお人柄を知ることができた(^^♪
os08「物語るテーブルランナー in 大島青松園」鴻池朋子

os08「浜辺の歌、月着陸、壁上り」鴻池朋子

高松市美術館でも放映していた。
os09「{つながりの家}カフェ・シヨル」やさしい美術プロジェクト

このカフェ全体が作品なんだ。
os12「物語る金の豚」鴻池朋子
金の豚さんどこ?(笑)

これかなぁ?
os11「リングワンデルング」鴻池朋子
前述したけど、高松港9:20発、9:50大島着。
作品展示は10:30なので、一番最初にここに来るといい。
ただ、現在作品は鑑賞できない。
係の方でさえ見たことがないんだとか・・・


目が見えん人はあそこまで登っていかんと思いよったけんど、そしたら前を5~6人が組になりやんややんやと杖を振り回しよって歩いとる。
目開きだってよう歩けん山道を、まあそれは元気にな、なんと楽しそうに歩きょる人たちやろうとびっくりしたもんです。


雨上がりで湿度が高い。
でも島は涼しい。

作品は見られないと分かっていても、このアクティビティが楽しいじゃないか。

まずは東の遠吠えに。

この断崖は「馬の骨」と呼ばれ、東方の出身者はここから東に向かって故郷を拝んだ。崖づたいに浜に降り、貝や海藻も採った。左手には「牛の骨」と呼ばれる島の最北端が見える。
ルートを戻って潮騒トレイル、北の遠吠え、西の遠吠えを目指そう。

生来、味覚がなかった。その上視覚を失い、音だけの世界に生きるようになり、闇の中での対話は幽霊のようなものと話をしているみたいで、見舞いに来てくれる人が、そこにいることを確かめるように軽く叩くのが癖になった。唇だけが唯一の先鋭な感覚器官だった。

「潮騒トレイル」とは、波の音を聞きながら歩くこと、かな。




潮騒トレイルはまだ続く。




逃走は開所以来珍しくなく、風のない海の静かな晩は、「逃走日和だ」と挨拶がわりにしたほどだ。
ある晩に10名逃走した。空前の大人数である。
女児を連れた女2人、男児を連れた男1人、他に4人。
逃走方法は、小舟を盗むか、昼間周辺で漁をしている漁民に連絡しておいて夜間に打ち合わせ場所へ迎えに来てもらうか、あるいは自力で海峡を泳ぎ切るか、三者のうちいずれかだった。

口で物をさぐる、ということは、私たち盲人のほとんどが行う。風呂場などでは、靴下を履くにも肌着を取り替えるにも、着物から下着まで、帰りにはゴムの短靴ま口でさぐる。すべて唇に触れて確かめる。


それでも暇をつくってはおなごだてらにバクチをやったんです。おなごばっかりじゃから、あられもなくおこしだけで集まって。かけ金ですか?1銭か2銭でした。

グルッとまわるとスタート地点まで戻ってくることができる。
風の舞には今日は立ち寄らなかったけど、時間のある方は是非

橋本清孝氏は高松空港「こどものくに」にある「かくれん棒」の作者。

os13「声の楔」やさしい美術プロジェクト
今回初の作品。
こちらも営業時間外も鑑賞できるので、os11の後に目指すべき作品。

鳥かごも作品かな?





まとめ
大島の作品は半日以下で作品鑑賞が可能。
島内は立ち入り制限がされていて何もすることがない。
現在は食事も禁止。
しかし高松に戻るフェリーの時間はなんと13:25発。
土日祝限定だけど、11:30に男木島に行く便がある。
それに乗って男木島に行くよ。


私は大島に10回は来ていると思う。
いつも学ぶことが多い。
また来るよ(^^♪
前回の男木島で、男木島灯台に行くことができなかった。
11:30大島発、11:50男木島着。
男木島灯台~男木港は徒歩で往復45分。
男木島13:00発に乗ることができるかな?