世界遺産「東寺(教王護国寺)」に行ってきた。
京都の世界文化遺産「東寺」に行ってきた。
以下にレポートするよ。
東寺(教王護国寺)について
東寺は平安京遷都(794年)後、796年に建てられた。
当時は(東寺じゃないよ)羅城門を中心に、西に「西寺」があったという。
平安京を東西で護るという計画で建てられた官立寺院で、国立のお寺なのだ。
823年、嵯峨天皇が空海さんに東寺を与えられ、国家鎮護の寺であると同時に真言宗のお寺として発展することになる。
一時平安後期に衰退はあったものの、鎌倉時代になると空海さんの人気が高まって再興している。
生身供(しょうじんく)や御影供(みえく)という行事も多くの寄進をした宣陽門院(せんようもんいん)の発案。
後宇多天皇・後醍醐天皇・足利尊氏さんなどにより援助を受けて栄え、焼失時は豊臣家、徳川家の援助により復旧している。
東寺は教王護国寺とも呼ばれる。
宗教法人としての登録が「教王護国寺」で、記録として最初に出てくるのは1240年の話。
東寺でも「東寺」という表記しか見なかったし、正式にも「東寺」である。
世界遺産「西本願寺」が正式には「本願寺」というのと反対なのだ。
▼東寺の寺紋、「八雲の紋」が可愛い。

本坊には入れないんだけど、その前の扉もオシャレ。

弘法大師空海について
東寺を語るには弘法大師空海さんのお話に少し触れる必要がある。
さて、香川県出身の空海さんは真言宗の開祖。
私の地元香川県でも、四国霊場八十八ヶ所を整備されたこと、満濃池を改修されたことなど、空海さんにまつわるエピソードは溢れている。
空海さんは31歳の時に中国に渡り、日本に密教をもたらした。
中国に渡った時、橘逸勢さんや最澄さんも一緒だった。
嵯峨天皇が帰国した空海さんに東寺を任せたわけだけど、嵯峨天皇、橘逸勢さん、空海さんは「三筆」として有名。
※ちなみに「三蹟(さんせき)」は小野道風、藤原佐理、藤原行成でいずれも書道に優れた人物たち。
東寺を任される以前、「高野山」を修禅の道場として開くことを命じられる。
「金剛峰寺」は高野山真言宗の総本山だ。
金剛峰寺は世界遺産でもあるよね。
東寺は東寺真言宗の総本山でなおかつ真言宗の総本山なので、当時は(東寺ちゃうよ)、東寺の方が上位だったと思われる。
また、中国で20年の修行予定で申請し許可されたわけだけど、2年で帰ってくることになる。
中国では「遍照金剛」という法号を与えられた。
同じ密教系の最澄さん開祖の天台宗では「南無阿弥陀仏」と唱えるけど、真言宗では「南無大師遍照金剛」と唱える由来だ。
さらに、空海さんが亡くなってから、「弘法大師」という諡号(しごう)が醍醐天皇より贈られた。
※世界遺産つながりの話になるけど、醍醐天皇は世界遺産「醍醐寺」を信仰していたから醍醐天皇と名乗った。
とまあ、地元でもスーパーヒーローの空海さんは、ここに書ききれないくらいの功績を残しているけど、ここまでにしておくよ(笑)
アクセス
東寺へのアクセスは、電車だと近鉄京都線「東寺駅」が最寄り駅になる。
しかし京都世界遺産17カ所のうち、京都駅から一番近い場所にあり徒歩15分で行くことができるよ。
※次に京都駅から近い世界遺産は西本願寺になるけど、西本願寺は歩くにしてはちょっと遠いかな。
市営バスだと「東寺東門前」「東寺西門前」「東寺南門前」「九条大宮」の4カ所いずれかで降りれば良い。
大差はないけど、「東寺東門前」で降りて「慶賀門」から入れば、有料施設「金堂」「講堂」「五重塔」の受付に一番近いよ。

マイカー・レンタカーであれば、境内には駐車場がある。
普通車2時間600円(以降1時間ごと300円)、バイク2時間200円(以降1時間ごと100円)だよ。
※新春特別拝観中は特別料金になる。

見どころ
私としては、一番の見どころは弘法大師空海さんが住んでいたとされる国宝「御影堂(大師堂)」だと思われるんだけど、修復中で拝観できない状態だったのが残念。
修復は2019年12月までの予定。

参拝時間は8:00からなんだけど、6:00からやっている生身供(しょうじんく)に参加するといいかも。
生身供とは空海さんが住んでいた時と同じようにお供えをする行事。
※私は寝坊で不参加・・・
御影堂でやっていたんだけど、修復中は対面の大日堂でやっているよ。
「金堂」、「講堂」、「五重塔」のエリアに入るのは有料で、「五重塔」の内部は春の特別拝観時のみ入場できるようになっている。
特に「金堂」、「講堂」、「食堂(じきどう)」(無料)は焼失・再建を繰り返しているけどまっすぐに並ぶ配列は当時のままで、それぞれ「仏」、「法」、「僧」を表し、生活の中に修行を見出す場所とされる。
この3棟と南大門が一直線になり、両サイドに五重塔、灌頂院が配置されている。

それらの施設を塀で囲ってそのまま曼荼羅を表現している。

※画像は東寺公式サイトから。
下敷きとか、ポスターとかハンカチを買えば良かった・・・
空海さんは曼荼羅を具現化しようとしていた。
「講堂」の中には「立体曼荼羅」が表現されているよ。
仏像や建物自体の配列にも注目だね。
塔頭の国宝「観智院」は別にレポートしたのでご参考に。
今回のレポートから、撮影禁止の部分はパンフレットを撮影することにした。
金堂

内部では撮影禁止。
重要文化財の仏像たちの迫力にびっくり。

中心の薬師如来の背景は七仏薬師。
下を支えているのは十二神将。
講堂

中に入ると、大日如来を中心とした五智如来、五菩薩、五大明王、四天王、梵天、帝釈天の21体の仏像の迫力に圧倒される。
(13体が国宝。あれ、大日如来さんは国宝じゃないんだね・・・)
これが弘法大師空海さんが密教の教えを表した「立体曼荼羅」。

とりあえずパンフレット写真を撮って伝えるけど、迫力は伝わらない。
ぜひ足を運んでいただきたいね。

金堂も良かったけど、講堂内は迫力が違う。
やっぱり国宝ってものすごいものなんだね。
食堂(じきどう)
食堂内には無残に焼けた仏像が4体あり撮影禁止。
いつか修復されるのを待っている。

弘法大師に敬意を表し、線香とお参りを。
蓮のロウソクとセットだよ。

空海さん、また香川県でお会いいたしましょう(^^♪

燃えた仏像さんたち、はやく治りますように。
食堂は文字通り僧侶の食事場所でもあった。
足利尊氏さんがここに住んでいた時もあったんだって。
重要文化財「東大門」は不開門(あかずのもん)と呼ばれているけど、新田義貞さんに追い詰められた尊氏さんは、この門を閉めて難を逃れたそうだ。

後醍醐天皇の命令で新田義貞さんは尊氏さんを狙っていたんだけど、最終的には倒せなかった。
尊氏さんは後醍醐天皇の「建武の新政」に反発していたんだけど、和解したいと考えていたところ後醍醐天皇が亡くなった。
尊氏さんが後醍醐天皇を弔うために建てたのが世界遺産「天龍寺」。
京都世界文化遺産を巡っていると、どこかでつながっていくところが面白いね。
五重塔
高さ55メートル、木造の塔としては日本最高。

サルスベリが奇麗に咲いていた。
手前の石でカメさんが甲羅干し。
いろんな角度で撮ったんだけどいいのがなくて・・・

緑が茂っていい空間なんだけど、五重塔が映える場所を探してみてね・・・
五重塔の前にある庭は散策するのは楽しいよ。

▼視界が緑で遮られるんだよ~。

次回は春の特別拝観時に来て内部に入りたいね。

あ、柱を支える餓鬼ちゃんが頑張っているのを撮るのを忘れた・・・
皆さん餓鬼ちゃんに声援をお願いするよ。

法隆寺の写真で申し訳ない・・・

その他・修復中
その他のもの、修復中で見られなかったものを掲載するよ。
不二桜
八重紅枝垂れ桜。

弘法大師の「不二の教え」から取って「不二桜」と命名された。
春の夜間ライトアップに来たいね。
宝蔵

宝蔵のまわりは蓮で囲まれている。
蓮の開花時期に合わせたいね。

ムラサキシキブさんに出会えたことはラッキー。

小野道風の柳
宝蔵の前にある柳。

前述した三蹟の一人、小野道風さんのゆかりの柳。
小野道風さんは自分には書道の才能ないと諦めかけていたそうだ。
柳に必死につかまろうとして何回も失敗し、最終的に成功するカエルの姿を見て再び努力し、書の達人になったわけだ。
実は宝蔵の堀に、カエルさんの石があったそうだ・・・・
次回に見つけよう・・・
宝物館

修復中だった。
特別拝観時には必ず来たいね。
・春期:3/20~5/25
・秋期:9/20~11/25
南大門

南大門に立って、「金堂」、「講堂」、「食堂」、右手に五重塔、左手に灌頂院を感じながら曼荼羅を意識してみてね。
夜叉神堂
食堂の前にある2棟。

写真左が雌夜叉。
▼雌夜叉(本地文殊菩薩)

右側の建物内には雄夜叉(本地虚空蔵菩薩)さんはいなかった。
観智院に行った時にポスターがあったよ。

雄夜叉さん怖い・・・
空海さんの作で、拝むと歯痛に効くのだとか。
まとめ
大ボリュームとなってしまった(笑)
しかしまだまだリベンジすべきところ、見どころ満載。
国宝「蓮花門」を見忘れたこと、御影堂の修復完了と「生身供」への参加、宝物館や五重塔内部の特別拝観、春(3月~4月)と夏(10月~12月)の夜間ライトアップなど課題を残すね。
また、密教や曼荼羅、弘法大師空海さんの世界観をまったく理解できていないので、学習を深めないとね。
高野山にも行きたくなった・・・
また来るよ!
▼京都世界文化遺産を巡っているので応援をよろしく!