「流政之美術館」に行ってきた
香川県内をよく見渡すと、流政之氏の作品はいたるところに存在している。
生活になじんでいる流政之氏の作品が大好きだ。
触れることのできる優しさを感じるアートなんだよね。
流氏は1923年長崎県出身で、1966年から香川県高松市庵治町にお住まいだった。
2018年7月7日、95歳でお亡くなりになり、お住まいは流政之美術館として生まれ変わった。
行こう行こうと思っていたら新型コロナウイルスの件でズルズルと時が経ってしまっていた。
美術館は完全予約制で、さらにビジターは5,000円とやや高めなのも相まってね。
でもやっと行くことができた。
庵治半島の岬に建つ、大豪邸のような大金持ちの別荘のようなレンガづくりの建物。
以前はどんな方が住んでらっしゃるのだろうと思っていた。
美術館専用の駐車場は道路を挟んで反対側にある。
さて入館。
流氏の大ファンなので、この場に立つだけでも大興奮、エクスタシー。
表札だけで感動していたら、なかなか前に進むことができないね。
焼き損じのレンガを集めて作っているんだ。
レンガがめっちゃオサレ。
後で知ることになったけど、この建物すべても作品のひとつなんだって。
▼日本国有鉄道のプレートが。
流氏は骨董品屋さん巡りがお好きだったようだ。
(館内は流氏のコレクションもあったよ。)
さて、入館。
ぬお!
流氏の作品だらけ!
感動の嵐!
ガイドさんの説明を聞きながらのツアー形式でスタート。
特に気になったのが、国内外にある屋外作品は地震などで倒れたことがなく、とても計算されていることがうかがえるとのこと。
▼すべての台座はやや台形になっていて、上から見るとすべてが真っすぐな線に見えること、安定感につながっていることだとお聞きした。
完全な直方体だと上から見た時に違和感があるんだとか。
▼この削りも特徴的。
同じような作品でも唯一無二のものになっている。
しかし素敵な場所だ~
ツアー客は私を含めて7名だった。
人を避けて撮るのが難しかった(笑)
いい場所に、いい作品。
進むごとにテンションが上がってくる。
▼俳優の高倉健さんをモチーフにした作品。
流氏は俳優の高倉健さんとお友達なんだ。
高倉さんはお忍びでよくここに遊びに来られていたのだとか。
あ、ツアーは屋内と屋外なんだけど、屋内はすべて撮影禁止だった。
屋外作品は触るのも写真撮影も可能。
屋内に入ると、暖炉に薪がくべてあった。
流氏は夏でも暖炉に火を灯し、ウイスキーを飲んでいたんだって。
夏に暖炉?と一瞬思ったけど不思議と暑くない。
ここは涼しい場所だしね。
薪の焼けるいい香りが素敵。
そりゃ高倉健さんも遊びに来るよね(^^♪
屋内で特に感動したのは、日本アカデミー賞のトロフィー。
もちろんデザインされたのは流氏。
持ってみたけど結構重い。
次回日本アカデミー賞の授賞式を見る時は意識して見よう(^^♪
▼これは彫刻の型で、木製。
木で作ってるんだ。
▼長い円筒は雨どいを隠すためのもの。
葉っぱが詰まったりするので、定期的に壊して作り直している。
生活感を無くすためのもので、流氏がこだわっていたんだとか。
建物自体が作品、よく分かったよ。
一段上がって中庭に。
そしてツアーもクライマックス、メインの庭を目指す。
メインの庭が見えてきた~
ぬお!大絶景!
このメインの庭は、「天台の庭」と名付けられている。
▼あの窓から見て、作品が瀬戸内海に馴染んでいるかどうかを常に判断していたんだって。
瀬戸内海に馴染んでいるかどうかが作品の良し悪しの判断材料だった。
眺めも最高、作品は超最高!
▼右端の作品は、2001年の米同時テロで崩壊した世界貿易センタービル前に設置されていた「雲の砦」と同じ形のもの。
あのNY貿易センター前の作品がどうなったかは、財団の方たちも知らされていないんだって。
そういえばサンポート高松にある作品、香川県立体育館ができるので撤去されていた。
どこに行ってしまったのかをお聞きした。
ここを出て行った作品は、基本的に管理を先方に任せているので把握していないとのこと。
流政之氏はイサム・ノグチ氏と香川県で仕事をされていたんだけど、イサム・ノグチ氏の作品は少ないのでかなり高額な値段が付く。
流氏の作品はとても多いので、イサム・ノグチ氏の作品よりお安いのだとか。
それでも一般人では買えない値段が付くからね・・・
▼これはクイズ形式でガイドさんから出題。
セラミック製のオブジェ、一体何でしょう?
作品ではなく流氏のコレクション。
正解は・・・零戦のプロペラでした~
長年海の中にあり、自然が仕上げたアート。
流氏は零戦のパイロットだった。
パイロット同期会をするための茶室が屋内にあったな。
▼さっきの木製の型で作られたものかな?
あの台の上に乗ってもいいんだって!
この作品は特にオーラがある。
流氏生前中は、美大の学生がよく弟子にしてくださいと来ていたんだとか。
弟子は取らないと、帰りの交通費を渡していたんだって。
それでは、恐れ多いけど遠慮なく登らせていただこう。
流氏は陽が沈む場所ではなく、陽が昇るこの地を選んだ。
朝陽が昇る時に入館できたらいいのにね。
というかここに住みたい・・・
サポートメンバー(年間50,000円)、法人会員は貸切というメニューがある。
流政之氏の公式サイトは、お亡くなりになってから閉じられた。
現在は財団の公式サイトだけ。
以前の流氏の公式サイトは作品の全国マップがあって便利だったんだけどね。
日本全国に作品は点在しているんだけど、北海道の奥尻島に特に作品が多いんだって。
さて、ツアーが終わると、フリータイムになる。
とはいってももう帰らないとね。
流政之氏にもう一度敬礼し退出・・・
素晴らしい作品と場所に酔っているところで、急に経済的な話になるんだけど・・・
ビジター5,000円×2名で10,000円だったんだけど、会員になると年会費10,000円なんだよね。
それで無料券が4回分付いてくる。
そしてその無料券は誰が使用してもいい。
彼女とワリカン5,000円で私が会員になれば、同じ金額でもう1回くることができるわけね。
(もしくは4名でどなたかが会員になり、ワリカンすれば一人2,500円で入館できることになる。)
今回のガイドさんは流氏と一緒に仕事をされていた方で、作品重視のツアー内容となったとのこと。
ガイドはいろんな方がいらっしゃるので、いろんな角度からの解説を聞くことができるんだって。
また、季節や天候で情緒も変わるだろう。
春夏秋冬に晴れ、曇り、雨をかけると単純に24通りと考える。
(雪もあるし、それだけじゃないよね)
次回流氏の作品や景色に癒されたくなったら、絶対会員になるね。
これから定期的に鑑賞しに来ることになるだろうと思った(^^♪
流政之様、またガイドさん、本日はとても有意義な1日でした。
またすぐにお邪魔させていただきます。
ありがとうございました!
・公式サイト
【電話】087-871-3011
【住所】香川県高松市庵治町3183