瀬戸内国際芸術祭2019!「高見島」編
高見島とは
高見島は香川県仲多度郡多度津町の西北7.4kmに位置する19世帯、人口27人の島。
※平成27年国勢調査による。
平家の落人が住み着いたとか、備前児島から来た人が漁を始めたと伝えられている。
多度津港側から見るとほぼ左右対称の山中心の島だ。

面積は2.36㎢。
レトロな集落があって、空き家や廃墟がとてもアーティスティック。

廃虚と瀬戸内海のコラボもいいね。

美しい石垣も高見島の特徴。


そして讃岐富士「飯野山」も見えている。

高見島の石垣の集落、廃墟、瀬戸内の風景と作品がどのように絡み合うのかとても楽しみ。
アクセス
高見島へは多度津港からフェリーで行くよ。
▼多度津港発の時間
6:55
9:05
11:00
14:00
16:20
▼高見島発の時間
8:30
10:25
11:35
15:50
17:35
私は9:05に乗り、帰りは11:35で帰ることができた。
多度津港には自動車100台をとめられる駐車場がある。
JRだと多度津駅で下車し、無料のシャトルバスに乗って多度津港まで行くことができる。
(会期中のみ)

島内のグルメ

作品を巡っていると、食事ができるスポットが3個所ほどあると書いてある。
自動販売機はない。

食事には困らないね。


ta03「Long time no see」に行く途中、魅力的なお店が!
漁師さんが経営する屋台のお店。

さっきとれたタコ!

そして天ぷらも!
注文が入ってから揚げる。

2つで700円って安くない?!
独特の強いコリコリ感、噛みしめるたび旨みを感じる。
こんなに美味しいタコを食べたことがないよ。
作品
高見島の作品は12作品で、港周辺に密集しているのですぐにまわることができる。
坂が急な場所があるのでご注意を。

ta01「積みかさなる白と空白」鎌田祥平・並木文音

高見島に到着するとすぐに出迎えてくれる作品。
内部は家具など、日常使用するもののオブジェ。


外部も内部もすべて同じ素材で統一され、無機質な中にもなぜか温かさを感じる。
ta02「時のふる家」中島伽耶子

何かアクリル板が家に突き刺さってるよ。
って内部まで貫通していた。

時代の流れに翻弄された高見島の姿を暴力的に表現している。

もっと明るい日は室内が輝くんだって。

ta03「Long time no see」PARANOID ANDERSONS

廃虚を1軒丸ごと解体してつくられた作品。
いろんな角度から素敵な写真が撮れたんだけど、讃岐富士飯野山とのコラボを採用。
ta04「keep a record」大石いずみ

空き家の中にある作品なのでワクワク。

奥に部屋がある。

奥の部屋は外部からは想像できないほどの真っ白な壁。
そして4面に絵がかけられている。

古い家屋の中に白い壁、このギャップがいいね。

島の暮らしをイメージした絵かな?

写真に手を加えた作品もあるね。

ta05「まなうらの景色」村田のぞみ

こちらも空き家の中にある作品。

どんな作品かな?
ぬお!

超大作。
ステンレス線を使用した作品。

瀬戸内国際芸術祭サポーター「こえび隊」で作品のお手伝いを募集していたよ。

外にあるステンレス線を見るとよく分かるかな。

約200人で製作したこと、ステンレス線の長さはここから高松まであるということを受付の方に説明していただいた。
ta06「内在するモノたちへ、」山田愛

空き家の中にできた異世界空間。
高見島の外から中へ、そして自分の中へ誘う。
しばし見入る。
上に抜けてるところを見たかったんだけどね。

接着面と転がっている石の境界が分からず今一歩踏み込めず。

しかしこの境界線の仕上げ、作者の山田愛さんは悩まれたであろう。

なぜ柱が隣にあるのか、解釈に時間がかかった。

崩れるかもしれない廃虚だからかなと。
雨漏りもしていた。
この支えるような柱からもいろいろ感じ取ったよ。
ta07「過日の同居」藤野裕美子

高見島の作品は空き家の中につくられるものが多くていいね。

こんなアイテムも生活感が残っている雰囲気を醸し出す。
こちらも素晴らしい作品だね~

岩絵具で麻紙に描いた作品。
細かく見ていこう。

配色を見ていると心が和む。

何を表現しているか分からないのだけれど、この空き家にとても合う。

入ってくる光が刻々と変化し、作品の表情も変わる。

ta08「うつりかわりの家」中島伽耶子
ta02「時のふる家」と同じ作者さん。

築100年の古民家に直径1㎝の穴を開けた。
穴にはアクリルのスティックが刺さっているよ。

手持ち撮影では少し限界が・・・

高見島の空き家を使用した作品たちのレベルが高すぎる。
ta09「家の”メメント・モリ”」ロサナ・リオス
「メメント・モリ」とは「自分がいずれ死ぬことを忘れるな」ということ。

どの空き家作品もそうなんだけど、作者が訪れた時、以前住んでいた方を感じるのだそうだ。
左手前は横になって寝ている跡、右手前は正座してご飯を食べている跡。

少しホラーハウスっぽい。

でも2階に行くと・・・

ホッとする。
このギャップも作品の狙い。
ta10「除虫菊の家/はなのこえ・こころのいろ」小枝繁昭
高見島はかつて蚊取り線香の原料、除虫菊の栽培で栄えた。

高見島の花を描いた絵の展示。

とても素敵な空間だぁ。

ta10「除虫菊の家/静かに過ぎてゆく」内田晴之
あ、フェリーでとてもオーラ漂う、ハンサムな男性だなと思っていたら内田晴之さんだったんだよね。

蚊取り線香の原料が正方形のシートに乗せられている。

燃えて煙が出ているんだよ。

ここにいたら絶対に蚊に刺されないね(笑)
ta11「海のテラス」野村正人

またまた背景に讃岐富士飯野山が入ってくるね(^^♪
ここで写真を撮ろうとすると、いろんな高さ角度で撮ることができるので、パシャパシャやっちゃうよ(笑)
実際にレストランなので、食事をしたいところ。
営業時間をチェックしときましょ。
ta12「KIRI」梶井照陰

名前の通り「霧」の映像作品。
瀬戸内海で3~6月に発生する「移流霧」と、新潟県の佐渡島で夏の前に発生する「滑昇霧」の映像が流れているよ。
作者の梶井照陰(かじいしょういん)さんは佐渡島で暮らしているんだって。
まとめ

「ブタもいますよ」って?
恐る恐る・・・


にゃはは(^^♪
廃虚、空き家、古民家といろいろ用語が出たけど、私の使い分けがごっちゃになっていることにご容赦を。
何となくそう言った方がいい感じで使用している。

家の中の作品をつくられた作者さんは、ほぼ住んでいた方々をおもったり感じたりして作品を展示されている。
鑑賞者である私は、住んでいた方々を感じながら、さらに作者の意図を感じておもいにふけることができる。
とても刺激される。

それをさらにおし上げるものを感じるんだけど、それはやはり瀬戸内海に浮かぶ島にある作品だからなんだと思う。

瀬戸内国際芸術祭の一番の魅力は、瀬戸内海をフェリーで楽しみながらのんびり時間を使うこと。

フェリーの窓枠が額縁に早変わり。

島に上陸して作品たちに出会うこと、これは近代的な美術館に行って作品を鑑賞するのとではまるで違う。

四国や香川県はさみしい場所に思えるかもしれないけど、そんな場所だからこそ、成功しているのかもしれないね。
▼瀬戸内国際芸術祭2019をまとめているのでご覧いただければ幸いだ。