「讃岐漆芸美術館」に行ったら香川県の漆芸を世界に広めたいと思った。
高松市上福岡町に「讃岐漆芸美術館」がある。
前を通るといつも気になっていた。
「美術館」とあるけどどう見てもギャラリーカフェ。
やっと行ってきたよ。
1階はカフェスペース。
2階がギャラリースペース。
「美術館」とのネーミングから公的な施設かと思ったんだけど私設の美術館。
オーナーさんが学芸員の資格をお持ちで、「美術館」と呼べる条件を満たしているとのこと。
※真の美術館とは国宝を所蔵できるなど条件を満たす必要があり、ほぼ国立美術館しか存在しないと教えていただいた。
よって高松市美術館も真の美術館ではないらしい。
私は漆芸への思い入れがあまりなかった。
香川県立ミュージアムの常設展示で漆芸コーナーがあって、無料だからいつも見ていたという程度。
オーナーさんの丁寧な説明を聞きながらどんどん漆芸への興味が湧いた。
そういえば全国の漆器の80%が香川県産だと聞いたことがあることを思い出した。
漆芸の人間国宝も香川県の方が圧倒的に多い。
▼作品を見ていくうちに特に目を引いたのがこちら。
トビウオが描かれたこの作品、お値段は300万円ほど。
展示されているのはすべてオーナーさんの所有物であり購入可能。
トビウオが空を舞う姿が美しい。
吹き付けられた粉が海の波しぶきや空を表現。
美しすぎてもはや宇宙。
下に向かってグラデーションして漆黒になる。
この静寂の間がまたいい。
この技法を再現できる方は現在存在しないのだとか。
特別にフタを開けていただいた。
海の中はサンゴ。
上から金粉に向かってグラデーション。
素晴らしすぎる。
ほしいけど300万円か~(´・_・`)というと、みなさんそうおっしゃいますとのこと。
香川県の漆芸の魅力を感じてるのは県外の方々で、香川県ではなかなか評価されていないらしい。
というかあまり知られていないとのこと。
そして、一番気に入った作品がこちら。
短冊を入れる容器。
ドクダミの雌しべは点で描かれ立体感が表現されている。
こちらは10万円とのことなので、自分へのご褒美としていつか購入したい。
あ、私は歌は詠まないので菓子箱として使う(^^♪
▼素晴らしい菓子箱。
写真では表現できないので、皆さんにも実際に訪れてご覧いただきたいと思う。
▼模様が途切れず描かれている。
お屠蘇(とそ)を飲む時に使う。
漆芸の3技法「蒟醤(きんま)」、「存清(ぞんせい)」、「彫漆(ちょうしつ)」とは香川県にしか存在しない技法。
(技法は他にもまだいっぱいある)
その超絶技法ゆえに値段が高額になってしまうことが逆にあだとなり、なかなか売れないんだ。
陶芸だと有田焼も高額なものはあるけど、お土産用に買いやすい価格設定の商品があるよね。
なるほど、こんなに素晴らしいのに香川県の漆芸の知名度も上がらないわけだ。
これは買ってももったいなくて使えないですね~と言うと、そんなことはないとオーナーさん。
使えば使うほど味が出てくるし、壊れたり劣化したらまた新品のように修理が可能で一生ものだと。
職人さんなら誰でも修理可能なんだって。
中は金粉で装飾されていて、どんなものを入れてもゴージャスなお弁当になるね。
完全に漆芸の魅力にとりつかれてしまった。
いつか購入したい(^^♪
さて、コーヒーをいただこう。
ランチはおまかせ1,000円、その他軽食やドリンクもある。
ギャラリーの作品も数週間単位で入れ替えるとのことなので、しょっちゅう来たいところ。
ケーキが付属する。
奥様の手作りかな。
本日はデコポンのパウンドケーキで美味しかった(^^♪
使用している器はすべて店内で販売している漆器。
軽いので、最初にカップは軽いことを伝えないとこぼされる方がいらっしゃるようだ。
ホントに軽い。
そして、年中やっているというかき氷450円。
3つのジャムがかかっているけど、これも自家製でジャムも販売している。
ミカン、梅・・・あ、3つ目を忘れた(笑)
メインのシロップは青梅。
もちろん器も漆器。
底にアイスクリーム2種、アンコが入っていた。
陶芸と違って漆器は割れないから長持ちするというメリットがある。
香川県の漆芸の魅力に触れ、美味しいものもいただくことができる讃岐漆芸美術館。
香川県の漆芸、こんな芸術的に高い価値があるものをもっと世界に発信していきたいと思った。
(香川県の方にももっと理解していただきたいとも思った)
・公式サイト
【電話】087-802+2010
【住所】香川県高松市上福岡町2017−4