大正レトロな建築「高松市水道資料館」
高松市水道資料館について
高松市鶴市町の香東川沿いにある「高松市水道資料館」がリニューアルオープンした。
大正時代に建てられた洋風レトロな建物で、高松市の水道の歴史を学ぶ事ができるスポット。
また、高松市水道資料館は国の登録有形文化財に登録されている。
建物はとても美しく、訪れる価値が高い。
高松市水道資料館のすぐ横には現在の浄水場「御殿(ごてん)浄水場」があるよ。
※「御殿」とは地名。
以前の古びた感じも好きだったんだけど、見ばえがかなり良くなったね。
建物は「旧喞筒場(きゅうそくとうじょう)」(写真手前)と「旧事務所」(写真奥側)、「倉庫」の3つ。
以下高松市水道資料館をレポートしよう。
旧喞筒場(きゅうそくとうじょう)
まずは「旧喞筒場」に入ってみよう。
「旧喞筒場」は香東川の伏流水をろ過池へ送る低揚ポンプと、水源池で作った水道水を西方寺配水池へ送る高揚ポンプを設置するポンプ場だった。
内部はかなり奇麗になり、資料のパネルがたくさん。
「江戸時代の水道」、「近代水道の誕生」、「近代水道の発展」、「近代水道のしくみ」という区画で分けられていて、とても興味深い内容。
レトロなつくりで和む。
喞筒場の地下ポンプ室
地下ポンプ室に降りてみる。
階段があるよ。
香東川の伏流水をろ過池へ送る低揚ポンプの方ね。
香川県高松市は、1890年(明治23年)に40番目の都市として誕生した。
当時は水道がきちんと整備されていなくて、蚊川(かがわ)、多蚊松(たかまつ)と言われるほど不衛生だったんだって。
香川県は日本一面積が小さく、大きな川もない。
「ため池」の数は都道府県ランキング3位なんだ。
(ため池密度は圧倒的1位)
ダムや井戸もきちんと整備されてきた。
先人たちの努力により、安心して水を使用することができる。
特に香川県人の私は水を大事にしないといけないな。
しかし「蚊川」とか「多蚊松」などの汚名返上をし、今の美しい高松市を見ると涙ぐましい努力があったんだろうね。
レトロな内観
戻って散策を続けよう。
窓枠も塗り直されて奇麗になっているけど、大正時代当時の木をそのまま使用しているんだって。
※「西方寺」は少し離れた場所にあるよ。
あ、地下にもあった優しいベンチ。
館内はレトロな雰囲気でいっぱい。
高松城下図屏風の水を汲む人
特に興味を引いたのが「高松城下図屏風」。
この屏風はいろんなところでよく見るんだけど、意識して細部を見ていなかった。
何と、江戸時代の人々の生活が小さく描かれているんだよ!
(アップの写真を撮り忘れた・・・)
その中に、水を汲んで飲む人たちを見ることができる。
(訪れたら確認してみてね。)
高松城下では、高松藩初代藩主「松平賴重(よりしげ)」さんの命により、湧水を水源とする水道が整備されたんだって。
香川県高松市のことを学ぶと賴重さんをとても知ることになるね。
香川県の観光スポットしてはずせない「栗林公園」、「玉藻公園(高松城址公園)」、「法然寺」(高松市仏生山町)、「志度寺」(さぬき市志度町)と絡んで学習が深まったよ。
喞筒場の入り口には高松城で発見された「井戸側」が展示されてあった。
「井戸側」は井戸の周囲に設けた囲いのこと。
喞筒場の裏側から出て、旧事務所に行ってみよう。
旧事務所
旧事務所は鍵がかかっていたよ。
内部は・・・
随分モダンになったね・・・
まとめ
駐車や入場は無料。
団体での見学、前撮りや見学以外での来場になると事前連絡が必要なのでご注意を。
地震時の対策方法、浄水時に発生する「浄水発生土」の利用や、香川県の水道の半分は高知県「早明浦(さめうら)ダム」に依存していることなど多くの事を学んだ。
とても美しい桜がいっぱい咲いて、桜の花びらがレトロな建物を飾る姿がとても好きだったんだけど、切られてなくなってしまったよ。
リニューアルして新しくなってしまったことが残念でもあるんだけど、外観の美しさを鑑賞しながら高松市のことを違う角度で学ぶことができてとても有意義だった。
しかし以前もそうだったんだけど、来場者が少ない。
SNS映えもかなりする場所なんだけど・・・
以前の雰囲気をしっかり残しつつ、新しく生まれ変わった高松市水道資料館へぜひ足を運んでみてね。