登録有形文化財
小川又兵衛商店
大正15年
店舗兼主屋・渡廊下・内蔵
平成21年8月7日登録

酒造業・酒類卸業を営んでいた小川又兵衛が建てた町屋です。棟札から大正15年（1926年）の上棟とわかります。その頃道路を拡げる計画があったため、敷地前面3メートル程奥に建っています。
店舗兼主屋は、前方の奥行の浅い店舗部（表屋）、広報の居室部、両者をつなぐ玄関からなる、表屋造と呼ばれる形式です。浴室や便所を設けた渡廊下を後方に接続し、奥の内蔵とつないでいます。店舗部と居室部の間や、居室部と内蔵の間には、趣ある中庭があります。近代の商家らしく、通り土間から敷地奥までトロッコのレールが続いています。
丁寧に造られた上質な建物で、年代も判明し、貴重です。後世の改造も少なく、奈良町の伝統的な町屋の構成をよく伝えています。

奈良市教育委員会