世界遺産「高山寺」は台風被害で修復中だったけどすごく良かった。
栂尾山(とがのおさん)高山寺とは
国宝「鳥獣人物戯画」で有名な世界遺産「高山寺」に行ってきた。
日本最古の茶園や国宝「石水院」、その他多数の国宝や重要文化財を所蔵しておりとても貴重なお寺。
「高山寺」は「こうさんじ」や「こうざんじ」といろんな所で表記が違い混乱した(笑)
公式サイトでは「こうさんじ」だけど、世界遺産絡みで文化庁、ユネスコのサイトでは「こうざんじ」になっている。
高山寺の開基は明恵(みょうえ)さん。
明恵さんは華厳宗のお方だったんだけど、現在の高山寺は真言宗のお寺。
明恵さんは後鳥羽上皇の勅願によりもともとここにあったお寺を華厳宗のお寺として開山。
「石水院」にある後鳥羽上皇の勅額
「日、出でて、まず高き山を照らす」とは華厳経の中の句。
「光り輝く寺院であれ」という願いが込められている。
「高山寺」の寺名はこの勅額が由来。
明恵さんは浄土宗開祖「法然」さんの『選択本願念仏集』を激しく批判された。
内容は、「南無阿弥陀仏」を唱えるだけで救われるという浄土宗の教えに対し、悟りを開きたいという気持ちが大事なんだという主張。
※批判したとはいえ、明恵さんは法然さんと仲良くお付き合いしていたようだよ。
「あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月」とは明恵さんの歌。
明恵さんは明るい月を見て何を思ったんだろう。
私も月をよく見ていろんなことを考えるけど、無限の解釈ができそうだ
さて高山寺を見てまわろう。
台風被害により修復中で、痛々しい景色でもあったんだけど、結論から言うと訪れてとても良かった。
立ち入り制限がされていて少し残念・・・
アクセス
いつも京都市内観光は市バスを利用しているのだけど、「高尾」下車で坂道を歩いて15分、「市バス1日乗り放題券(600円)」の範囲を越える。
行けないことはないけど今回に初めてJRバスを利用した。
JRバスだと「栂ノ尾」下車で高山寺の参道まで行くことができる。
JRバスの料金は520円。
帰りはバスの時間を見て待ち時間の関係で市バスを利用した。
坂道を下りながら「高尾」まで15分歩いたよ。
行きも市バスで良かったかな?
ちなみに市バス1日乗車券も購入していたけど、追加は約200円。
(申し訳ない正確に覚えていなくて)
参道
高山寺の入り口は「表参道」と「裏参道」の2カ所がある。
JRバスで来ると、表参道入り口を通り越して裏参道入り口まで行くよ。
表参道
台風の被害で表参道は立ち入り禁止。
早くなおりますように。
修復が完了し、市バスで「高尾」から歩いて来るとここが最寄りの入り口となる。
裏参道
JRバスで来ると裏参道入り口に到着。
裏参道を上っていくとすぐに境内が見えてくる。
高い山でとても静か。
高山寺に入場するのは無料なんだけど、紅葉の時期だけ入場料が必要なんだって。
(石水院には拝観料が必要。)
日本最古の茶園
明恵さんは、建仁寺の開基、臨済宗開祖の「栄西」さんが宋から持ち帰ったお茶をもらったんだけど、それを山に植えた。
修行の時に眠たくならないよう、カフェイン効果に期待して茶園ができたんだ。
遺香庵庭園は入場できず・・・
七代目小川治兵衛さんの作庭による。
無鄰菴、白河院、仁和寺、平安神宮神苑などの庭園を手がけられたお方。
石水院
台風被害のため、見所はここ石水院しかないのだ・・・
しかし十分見応えがあって大満足だったよ。
独特のムード。
今まで見てきたお寺の中で一番荘厳な雰囲気。
書院
石水院は書院から行く。
あ、さっそく鳥獣人物戯画ののれんがある。
ワクワク。
「写真撮影ご遠慮ください」と書かれて一瞬がっかりしたんだけど、ダメ元で確認すると、受付の方が「あ、撮影してもいいですよ」とのこと。
ありがとうございます!
▲写真奥が「石水院」、左が茶室。
茶室は後で行くよ。
池の上を渡っていく。
池にイモリさんがいてテンションが上がる。
▼イモリさんが写っているのが分かるかな?
▼ここからが石水院なんだね。
縁側を右から行くよ。
廂(ひさし)の間の善財童子と富岡鉄斎の書
明恵さんが敬愛されていた善財童子の像と富岡鉄斎さん(明治期)の「石水院」の書。
廂の間の前庭もいいね。
木々の向こう側に薄っすら修復中作業が見えているけど・・・
南縁
わ~とても素敵な眺めだね~
鳥獣人物戯画
日本最古のマンガ、甲・乙・丙・丁の4巻からなる。
本物は甲・丙が東京博物館、乙・丁が京都国立博物館にあるよ。
▼これは実物大複製かな。
国宝「明恵上人像(樹上座禅像)」
これも複製。
明恵さんお初でございます。
絵の中にはリスがいるらしいんだけど確認せず。
また修復が完了したらお邪魔させていただこう。
阿留邊畿夜宇和(あるべきようわ)
明恵さんが自身の日常規則を欅板に白墨にて自筆をしたもの。
国宝「仏眼仏母像」
明恵さん23歳の時、仏道修行の意思堅固なことを証明するためこの仏眼像の前で右耳を切られた。
文字は明恵さんが書き込んだもの。
これも縮小複製。
木彫りの狗児(明恵愛玩の木造の犬)
東大寺南大門金剛力士像を作った運慶さんの息子さん、湛慶さんの作。
明恵さんは動物に優しいお方だった。
幼い時にご両親を失い、小動物を見ると両親の生まれ変わりかもしれないと思ったんだって。
紅葉や雪の景色もいいだろうな。
▼さてお茶をいただこう。
書院の茶室
鳥獣人物戯画テイストの絵が。
お茶券を受付で買わないといけないんだよ。
鳥獣人物戯画の絵が描かれてあってかわいい。
眠気が飛んで修行に励むことができそうだ(笑)
まとめ
台風被害にあわれて大変なことだっただろう。
とても素敵なお寺でさすが世界遺産。
大部分が見られなくても心に残る霊験あらたかなお寺だ。
京都の世界遺産はほんとにいつでも来たい場所だなと実感。
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