観音寺市「豊稔池堰堤(アーチダム)」
観音寺市にある豊稔池堰堤(ほうねんいけえんてい)は1930年(昭和5年)にできた。
堰堤(えんてい)とはダムのことね。
ダムは柞田川(くにたがわ)をせき止めており、できた池は豊かに稔る(みのる)という思いで豊稔池と名づけられた。
構造はマルチプルアーチ式のダムで、日本では宮城県の大倉ダムと豊稔池ダムの2つのみ。
日本で唯一の「石積み」のマルチプルアーチ式。
大倉ダムは唯一の「コンクリート」のマルチプルアーチ式。
県道9号線(大野原川之江線)を走っていると、分岐があって下に降りていくと行くことができる。
駐車場は20台くらいのスペースがある。
▼分岐を降りなければダムを上から見渡すことができるよ。
せき止めているところが半円状(アーチ)になっているからアーチダムね。
アーチが複数あるから「マルチプル」。
私は分岐を見逃してここに来てしまっただけ(笑)
分岐点にご注意を。
さて、分岐を降りて駐車場に自動車をとめ、説明書きをまず読む。
豊稔池の沿革
豊稔池が学術的に評価の高いダムであるのは
1.ダムの形式が全国でただ一つの石積みマルチプルアーチダムであること。
2.ダム草創期にあった大正15年に着工し、昭和5年に竣工している。
3.洪水吐(こうずいばき)をサイフォン形式にするなど随所に斬新な設計を取り入れている。
しかし、築造から半世紀余りの年月を経て、堤体の一部に漏水が生じるなどの老朽化がみられ、昭和63年度に県営農地防災事業に着手した。改修工事の設計施行に際しては、築造当時の外観を損なうことのないように配慮し、20億円余の事業費を費やし、平成6年3月に竣工をみた。
重要文化財「豊稔池堰堤」
豊稔池堰堤は我が国最初期のコンクリート造溜池堰堤として農業土木技術史上、高い価値があります。また、アーチ式堰堤とバットレス式堰堤の特徴を兼ね備えた先駆的な構造形式が昭和前期における堰堤建設の技術的達成度をよく示しています。
ん?コンクリートでできているの?
調べてみたんだけど後述するよ。
平成18年(2006年)12月19日に国の重要文化財(建造物)に指定されている。
豊稔池堰堤は、1926年に4年余りの年月をかけて完成しました。このダムの堤長は145.5m、堤高30.4mで日本最初期のコンクリート造瑠池堰堤です。両端部を重力式、中央部が5個のアーチと6個のバットレスからなるマルチプルアーチ式のとても珍しい様式のダムです。
まるで中世ヨーロッパの古城を思わせる偉容と風格があり、水をたたえた水面と周囲の山並みとの調和で四季折々に見事な景観を見せてくれます。また、豊稔池という名前は、このため池で観音寺市が豊かに稔ってほしいという願いを込めて命名されました。
説明2枚目は「コンクリート造溜池堰堤」、3枚目は「コンクリート造瑠池堰堤」となっており、「溜」と「瑠」で異なっている。
どうなんでしょうね?
さて学習が完了したところで見ていこう。
レンガの橋もいいね。
さきほどコンクリート式?と思ったけど、どう見ても石積みだね。
補強にコンクリートを使っているんだ。
よく考えたら石だけではダムをつくれないよね。
▼アーチの一つ。
内部にも行けちゃうんだけど足元に注意してね。
いい眺め。
豊稔橋の手前を降りることができる。
夏は川遊びにいいね。
夏になると「ゆる抜き」といって放水が行われる。
ゆる抜きをすると周辺がすごく涼しくなるんだよ。
以前来たことがあるんだけど、天然クーラーだった。
来年夏にまたレポートができたらいいな。
・公式サイト
【住所】香川県観音寺市大野原町田野々