世界遺産「延暦寺」のすべてをまわるのは1日では無理だった・・・

延暦寺とは

延暦寺は伝教大師「最澄」さんが滋賀県と京都にまたがる山、比叡山に建てた天台宗の本山寺院。
延暦7年(788年)の創建で、最澄さんが亡くなってから延暦寺と名付けられた。

滋賀県にあるんだけど、平安京の北にあったことから「古都京都の文化財」として1994年に世界文化遺産登録されている。

延暦寺は最澄さんが建てた中心部の「東塔(とうどう)」と、最澄さん没後に円澄さんが開いた「西塔(さいとう)」、円仁さんが開いた「横川(よかわ)」から成り立っている。

本日は大雨に見舞われ大変だった(泣)

比叡山で借りた傘
ケーブル延暦寺駅で借りた傘

「雨は雨。今を楽しむ」
ありがとうございます、南無阿弥陀仏。

比叡山は標高848m。
京都市内は曇りだったんだけど、延暦寺周辺は土砂降りになったり雨が止んだりと天候は目まぐるしく変わった。

拝観料は東塔・西塔・横川の3つのエリアをまわる拝観料で、国宝殿とのセット券もあるんだけど、セット券とはいえ割引がない。
国宝殿に入るかどうか分からない場合は後からでも別に購入可能なのでお知りおきを。

アクセス

京都駅から延暦寺まで直通のバスがあるんだけど、本数にかなり限りがある。
計画的に行くなら直通のバスをおすすめするよ。
(所要時間1時間15分片道770円)

京都駅から無計画に行くなら以下の行程をおすすめする。

【JR】:京都駅-「比叡山坂本駅」(所要時間約20分片道320円)
【バス】:「比叡山坂本駅」-「ケーブル坂本駅」(所要時間6分片道230円)
【ケーブル】:「ケーブル坂本駅」-「ケーブル延暦寺駅」(約10分片道860円)
【徒歩】:「ケーブル延暦寺駅」-延暦寺東塔(約15分)
合計約1時間片道1,410円

私はこの行程で行った。
乗り換えは多いけど案外スムーズに行くことができた。

ケーブルカーも楽しかったよ。

比叡山坂本ケーブル

直通バスで行くとこのケーブルカーに乗ることはできないからね。

見どころ

延暦寺は大きく「東塔(とうどう)」、「西塔(さいとう)」、「横川(よかわ)」の3つのエリアに分けられる。
延暦寺の見どころを押さえるには1日では難しかった・・・

延暦寺東塔入り口

私は「東塔」と「西塔」を歩いてまわって体力が限界に達した(笑)
比叡山は修行する場所だからね・・・なめていたよ。

シャトルバスが3つの区域をまわっているんだけど、「東塔」と「西塔」は地図上では近く、バスを利用するまでもない距離だと感じるんだよね。
バスを待つなら歩いて行こうってその時は思った。

東塔や西塔から横川はかなり遠く、シャトルバスを利用すべき。
しかし東塔と西塔は近いとはいえ、歩いてまわっていると時間がかなり経つし体力を削られる。
シャトルバスは1時間に2,3本で、バス停に到着した時にちょうど行ってしまっていてもう断念、下山決定(泣)

以下東塔と西塔のレポートをするよ。

東塔

ケーブル延暦寺駅から最も近い場所。
京都駅と延暦寺間のバスや、3つのエリアをまわるシャトルバスもここから利用することになる。

東塔は延暦寺発祥の地。

延暦寺東塔

延暦寺万拝堂
万拝堂

仏像を取り囲むように巨大な数珠になっている。

延暦寺万拝堂の数珠

東塔の中心「根本中堂」は改修中だった。
平成28年から10年の予定。

延暦寺根本中堂

本尊薬師如来像の前には1200年灯り続けている「不滅の法灯」が安置されている。
内部は撮影禁止だったんだけど、改修中の様子を見るためのステージ上からの撮影は可能だった。

延暦寺根本中堂修復中の屋根

残念だけど、この位置からの眺めもなかなかいいね。

延暦寺根本中堂修復中の屋根2

屋根のつくりがよく見える。

延暦寺根本中堂修復中の屋根3

完了まで残り7~8年かかるから、リベンジはまだまだ先だね・・・

延暦寺根本中堂修復中の屋根4

▼ポスターを見ると、どこに立っているか分かった。

延暦寺根本中堂の外観

参拝者と同じ目線の薬師如来と「不滅の法灯」、とても良かった。

不滅の法灯は最澄さん自身が灯され、ずっと消えていないそうだ。
油が注がれるわけだけど、ここから「油断」という言葉が生まれたそうだ。

▼根本中堂を出ると文殊楼への階段が見える。

延暦寺根本中堂から文殊楼までの階段

かなり急な階段。

文殊楼への階段

文殊楼内部も撮影禁止。

文殊楼の2階に上がると合格祈願の絵馬が多数かけられていた。

延暦寺文殊楼

▼根本中堂から上った階段の反対側に降りると大書院。

延暦寺大書院

大書院は立ち入り禁止。

入り口から見た庭園がとても素敵。

延暦寺大書院の庭

お腹が空いたので延暦寺会館で昼ご飯。

延暦寺会館のお茶

延暦寺会館の精進料理
精進料理「比叡御膳」2,200円

胡麻豆腐と湯葉の佃煮がめちゃくちゃ美味しかった!
ご飯は御代わり自由。

雨が止み、琵琶湖が少しだけ見えた。

延暦寺会館から見た琵琶湖

延暦寺大黒堂2
大黒堂

日本の大黒天発祥の地「大黒堂」
本尊の大黒天は、「三面出世大黒天」と言われ、大黒天と毘沙門と弁財天が一体になった姿でとても珍しい。

▼大講堂を目指すと途中に立派な鐘楼がある。

延暦寺鐘楼

延暦寺大講堂
大講堂

延暦寺戒壇院
戒壇院

国家公認の僧になるための儀式を行う「戒壇」。
最澄さんは奈良の旧仏教(南都)から独立して延暦寺で僧を養成したかった。

この戒壇院が認められたのは最澄さんが亡くなって7日目のこと。
最澄さんの悲願は達成された。

それまでは奈良の旧仏教から批判を受けていたわけだけど、この戒壇院の設立を機に南都に対して北嶺と呼ばれるようにまでなった。

ちなみに北都「平安京」に対して、南都とは奈良県の「平城京」のことでもある。
さらに「南都」とは世界遺産「興福寺」のことを指す。

延暦寺阿弥陀堂と東塔
法華総持院東塔(左)と阿弥陀堂(右)

阿弥陀堂の前には水琴窟があるよ。
(写真右)

延暦寺阿弥陀堂内部
阿弥陀堂内部

延暦寺東塔内部
法華総持院東塔内部

法華総持院東塔と阿弥陀堂の間をくぐり、歩いて西塔エリアに向かうよ。

延暦寺東塔裏側

西塔

地図で見ると、東塔エリアから西塔エリアは近いと思っていたんだけどね・・・

延暦寺東塔から西塔へ

バスが通る道は歩行禁止のようだ。

延暦寺西塔へ

徒歩専用道があるよ。

延暦寺西塔へ2

歩いていくにもシャトルバスで行くにもどちらも微妙な距離なんだよね・・・

延暦寺西塔へ3

霧で包まれた緑を見ながら歩くのは楽しいからいいけど。

延暦寺西塔へ4

西塔エリアに来ると最初に浄土院に到着。

延暦寺西塔浄土院
浄土院

浄土院は建物と庭を鑑賞するだけしかできない。

延暦寺西塔の道

さらに進む。
坂が急だね~

あ、親鸞さんの修行された場所が。

延暦寺親鸞聖人のご修行の地

常行堂・法華堂に到着。

常行堂・法華堂(にない堂)

▼左が常行堂、右が法華堂。

常行堂・法華堂(にない堂)2

修行中なのでお静かに。

延暦寺釈迦堂(転法輪堂)への階段

階段を下って釈迦堂(転法輪堂)を目指すと、途中に円戒国師寿塔がある。

円戒国師寿塔

寿堂とは、生前にあらかじめ作ったお墓のこと。
円戒さんは「応仁の乱」の惨状から社会を浄化するという強い意志を表明するためにこの堂を建てた。
(実際の建物は1400年代に建てられ1500年代に焼失し、これは1800年代に再建されたもの)
※「応仁の乱」は最近では「応仁・文明の乱」と呼ばれている。

▼釈迦堂(転法輪堂)に到着。

延暦寺釈迦堂(転法輪堂)

延暦寺現存最古の建物。

もとは園城寺の金堂だったものを、豊臣秀吉さんが移築した。

お焼香させていただいた。

延暦寺釈迦堂(転法輪堂)でお焼香

まとめ

横川、国宝殿に立ち寄れなかったことが一番悔やまれる。
地図で見ると、東塔から西塔は近くに見えて結構遠い(笑)
横川がいかに遠いか理解できた。

朝早く動き出し、シャトルバスをうまく利用すれば1日でまわることができたと思う。
延暦寺は体調を整え、早朝から計画的にまわりたいところ。

またケーブルカーの途中下車をして散策もしたかった。
比叡山の神秘的な景色や、紀貫之さんのお墓もお参りしたかったよ。

またガーデンミュージアム比叡や比叡山の麓にある旧竹林院などにも立ち寄りたい。

次回はゆっくり無理のない計画で、山頂1日、麓で1日の計2日くらいの計画がおすすめだね。

とにかく比叡山延暦寺に来てみたら、やたら欲張りになってしまう。

雨が降っていたけどとてもすてきな場所だった。
根本中堂の改修が完了したらまた来るよ。

▼京都世界文化遺産を巡っているので応援をよろしく!