【呉・徒歩旅】見どころ満載!美しき「旧呉鎮守府司令長官官舎」と幻の金唐革紙
いよいよ今回の呉・徒歩旅もクライマックス。
最後の目的地は入船山記念館にある「旧呉鎮守府司令長官官舎(本館)」だ。
大和ミュージアムで入船山記念館のセット券を購入していたのもあったんだけど、絶対に訪問したいスポットだったんだよね。
実際に足を運んでみると、建物の歴史から細部の意匠まであまりにも奥が深すぎて、気づけばものすごい枚数の写真を撮ってしまっていた。
すべてを紹介しようとすると記事のボリュームがとんでもないことになってしまうため、今回は泣く泣く厳選した「10枚の写真」で、この美しき空間の魅力をお届けしたいと思う。
絵本から飛び出したような洋館建築

まずは外観から。
木造平屋建てで、木の骨組みをあえて外に見せる「ハーフティンバー様式」が採用されている。
スレート葺きの屋根と相まって、まるでヨーロッパの絵本から飛び出してきたかのような佇まいだ。

館内へと足を踏み入れると、まず目を奪われるのが入口の扉にはめ込まれた美しいステンドグラス。
イギリス製のものが使われており、よく見ると海軍らしい「桜と錨(いかり)」のモチーフがデザインされている。
光の透け具合がたまらなく美しい。
豪華絢爛な洋室と、息を呑む細部の意匠

洋館部分の食堂(あるいは会議室)にあたる部屋。
ずらりと並んだ長机と椅子、そして重厚なカーテンが、かつての海軍高官たちがここで重要な会談を行っていたであろう歴史の重みを感じさせる。

こちらは応接室だね。
大きな出窓から差し込む自然光が、花柄のソファと黄金色に輝く壁紙を優しく照らしている。
空間全体のカラーバランスが絶妙で、どこを切り取っても絵になる。

洋館の窓辺。
深紅のベルベットカーテンと、少しレトロな緑色のストーブのコントラストが素晴らしい。
窓枠の幾何学的なデザイン越しに外の緑が見え、まるで一枚の絵画のようだ。

ふと見上げた天井もこの通り。
幾何学模様と植物のモチーフが規則正しく並んだ、非常に緻密で美しい装飾が施されている。
こうした細部への異常なまでのこだわりに、当時の建築技術の高さと誇りを感じずにはいられない。
洋から和へ。そして幻の「金唐革紙」

この官舎の面白いところは、豪華な洋館のすぐ奥に、純和風の建物がくっついている「和洋折衷」の構造になっていることだ。
洋室のドアを抜けた途端、スッと静寂に包まれるような木造の長い廊下が広がる。このギャップがたまらない。

そして、この建物の最大の見どころと言っても過言ではないのが、洋館部分の壁に貼られた「金唐革紙(きんからかわし)」。
和紙に金属箔を貼り、版木で凹凸をつけて革のように見せるという、非常に高度で失われつつある技術で作られた貴重な壁紙だ。
照明に照らされて浮かび上がる立体的な模様には、思わずため息が漏れる。
歴史民俗資料館で技術の粋に触れる

官舎を満喫した後は、同じ敷地内にある「入船山記念館 歴史民俗資料館」へ。
レンガ調のアプローチとガラス張りのエントランスがモダンな雰囲気を出している。
ちょうど「金唐紙」に関する展示が行われていた。

資料館の中には、額装された金唐革紙が展示されていた。
鳥やブドウ、花々が立体的かつ黄金に輝く様は、もはや壁紙の枠を超えたひとつの芸術作品だ。
先ほどの薄暗い洋館の中で見た時とはまた違い、明るい場所で細部の精巧な打ち出し模様をじっくりと観察することができた。
呉の歴史と、日本の近代建築の粋をこれでもかと見せつけられた「旧呉鎮守府司令長官官舎」。
歩き回った疲れも忘れるほど、シャッターを切り続けるのが楽しい至福の時間だった。
・公式サイト
【住所】広島県呉市幸町4−6 呉市入船山記念館



