庭園ランキング2位の『桂離宮』に納得!

 

アメリカの日本庭園専門誌『The Journal of Japanese Gardening(ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング)』において、我が香川県の栗林公園は9位である。
京都のランクインした庭園は以下。

2位:桂離宮
4位:御所西 京都平安ホテル
7位:無鄰菴(むりんあん)

本日は桂離宮に行って栗林公園との比較をしてみよう。

どちらが上だとかはナンセンスなので、栗林公園で学んだ知識をいかして比較しながら鑑賞する。

■宮内庁:桂離宮
■参観時間:9:00~17:00
※参観時間は約1時間
※予約ページで予約すると最終16:00まで
※当日飛び込みで行くと15:00までの受付で、人数制限もあるなので予約をおすすめする
■休止日:基本的に月曜日だが公式サイトカレンダーを参照のこと
■参観料金:1,000円
※中高生無料

アクセス

市バスで行くと、「桂離宮前」というバス停で降りればよいが、市バス1日券600円の適用外の場所で、バス停2つ前の「桂小橋」で降りて歩く(笑)
※市バスを桂離宮で降りる時、1日券の提示と整理券(バスに乗る時に取るのを忘れずにね)と、200円弱を払えばもちろんダイレクトに行けるから(笑)

▼桂大橋
桂大橋

桂大橋を渡り、右に曲がると桂離宮。

桂大橋を渡る

と、行く前にバスの時間を調べておこう。
バス停「桂離宮前」の前には和菓子屋の中村軒さんがあるよ。

和菓子の中村軒

桂離宮の外の塀は笹で綺麗に仕上げられている。

桂離宮の竹の塀

バス停「桂離宮前」から入り口までは徒歩5分くらい。

参観について

私は予約せず、当日飛び込みで参観した。
時間は9:00、10:00、・・・と1時間単位で20人までの受付だったのだが、幸運にも待たずに参観することができた。
(当日受付は2016年からできるようになったらしく、飛び込みで参観できたのは非常にラッキーだった。)
自由に庭園内を参観できるものではなく、20人単位でガイドさんとまわる。

▼発券機
桂離宮発券機

身分証明書の提示を求められる。

桂離宮マップ

桂離宮について

桂離宮は後陽成天皇(ごようぜいてんのう)の弟・八条宮(はちじょうのみや)初代智仁(としひと)親王により、宮家の別荘として建てられた。
元和元年(1615)より造営が始まった。
八条宮家はその後、常盤井宮(ときわいのみや)、京極宮、桂宮と改称されて明治に至り、明治14年(1881)に12代淑子(すみこ)内親王が亡くなられるとともに絶えた。
桂山荘と呼ばれてきたが、明治16年(1883)宮内庁所管となり「桂離宮」と称されるようになった。
創建以来、火災に遭うことなくほぼ完全な状態で存在している。

桂離宮の敷地は6万9千平方メートル、東京ドーム1.5個分の広さ。
香川県栗林公園の広さは借景の紫雲山を含めると75万平方メートル、東京ドーム15個分の広さ。
桂離宮は周辺の土地も買占め景観を守っているが、栗林公園はビルの中にあり、一部いい撮影スポットでもビルが写りこむということがある。
そこがまず栗林公園の痛いところではあるね・・・
(北海道札幌時計台も、愛媛県松山市道後温泉などもビルが写りこみ残念なスポットになっている。)
景観を守るという桂離宮関係者の意気込みも、ランキングに反映しているところなのだろうね。

時間になるとガイドさんが待合室までお迎えにきてくれる。

いざ。

桂離宮入り口

入り口から御幸門、表門まで

最初は御幸門まで行く。

桂離宮最初の橋

桂離宮の池の名前はついていないようだ。
本日は池の水を抜いていて水位が低くなっているところが残念。

▼池の向こう側に松琴亭(しょうきんてい)が見える。

桂離宮の池

▼どこでも自由に散策できるわけではなく、終始ガイドさんについて歩く。
栗林公園はほぼどこでも自由に散策できるところが違うね。

桂離宮の通路

▼御幸門(みゆきもん)
桂離宮御幸門

茅葺切妻屋根(かやぶききりつまやね)を棈(あべまき)という自然木の皮付丸太で支えている。

桂離宮御幸門の屋根

御幸門の先には表門がある。

▼表門
桂離宮表門

表門は普段は使用されていない。

歩くときは苔や土を踏まないように注意される。

外腰掛

桂離宮外腰掛

茶室である松琴亭(しょうきんてい)の外腰掛という待合腰掛。
茅葺寄棟造り(かやぶきよせむねづくり)で、皮付丸太で支えるだけの吹き放し。
扉のある部屋は雪隠(せっちん=トイレ)。

桂離宮外腰掛天井

▼二重枡形の手水鉢
桂離宮外腰掛の手水鉢

対面にはソテツさん。

桂離宮のソテツ

薩摩島津家から献上されたソテツさんだが、寒がりなんだね~
栗林公園も島津さんからソテツさんをいただいていたけど藁巻きにはなっていなかったよ。

▼栗林公園のソテツ
栗林公園のソテツ

▼外腰掛前の延段
桂離宮外腰掛前の延段

向こう側が細くなっていて遠近法で広く見せる工夫なのだとか。

桂離宮外腰掛前の延段2

洲浜

桂離宮洲浜

水位が下がっているのがすごく残念・・・

▲黒く扁平な石が敷き詰められ池に突き出している。
見えにくいが、松の左にある灯篭は灯台をイメージし、海を演出しているらしい。

▼この写真だと灯篭(右側)が分かりやすい。

桂離宮天の橋立と灯篭

▼橋は天の橋立に見立てたもの。

桂離宮洲浜2

松琴亭(しょうきんてい)

桂離宮松琴亭

茅葺入母屋造り(かやぶきいりもやづくり)の茶室「松琴亭」。

松琴亭の屋根

▼後陽成天皇の宸筆「松琴」の額
松琴の扁額

『琴の音に峰の松風通うなりいづれのをよりしらべそめけむ』
徽子女王(きしじょおう・929~985年)
松琴亭の名前はこの句から採用された。

「宸筆(しんぴつ)」とは「天皇自筆」という意味。

しかし石、松や汀線美(池と陸の境目の線)など、どこを見ても美しいね。
さすがランキング2位。

桂離宮の池

桂離宮松琴亭までの道

▼松琴亭から見た池
桂離宮松琴亭からの眺め

この眺めの中でお茶を飲みたい。
夏に来ればもっと美しいだろう。
(あ、お茶を飲むことはできない)

▼松琴亭内部
桂離宮松琴亭内部

桂離宮松琴亭内部2

茶系の中にいきなりカラフルなチェック柄を持ってくるとは斬新。

桂離宮松琴亭内部3

桂離宮松琴亭内部4

外からパシャパシャといっぱい撮ったが、中には入ることができない。

チェック柄、ほんとにいいアクセント。

桂離宮松琴亭内部5

栗林公園であれば掬月亭(きくげつてい)にあたると思うのだが、掬月亭は中でお茶を飲むことができるんだけどな~

桂離宮松琴亭内部6

利用できないようになっているのは栗林公園の掬月亭とは建物のとしての価値が違いすぎるということなのかな。
そもそも栗林公園は「公園」、桂離宮は見ることを許された宮内庁の庭園なのだ。

▼以前は鐘が吊るされていて、外腰掛に合図を送ることができたそうだ。

松琴亭の鐘があった場所

▼普段は船がないそうだが、水抜き時にはこの船があるのだとか。

桂離宮の船

船を見るのはかなり珍しいことなんだって~

続いて賞花亭(しょうかてい)を目指す。

桂離宮の山茶花

▼苔で覆われた石橋が素敵。

桂離宮苔の橋

賞花亭までは橋を渡り、坂を上がる。

どこの橋からの眺めも美しい。
(止まって撮ると団体行動を乱すことになる・・・)

桂離宮の池の景観

桂離宮の坂

苔は絶対踏んではならない。
常に石の上を歩こう。

桂離宮の苔

桂離宮の苔2

桂離宮の苔3

賞花亭(しょうかてい)

桂離宮賞花亭

坂を上りきると峠の茶屋風の賞花亭がある。
苑内では最も高い位置にある。
茅葺切妻屋根に皮付きの柱を用いている。

賞花亭の屋根

▼賞花亭の連子窓(れんじまど)
桂離宮賞花亭連子窓

この窓から見る景色はパンフレットに『深山幽邃(しんざんゆうすい)の趣を備えている。』と表現されている。

夏の暑さを避けるための茶室で、北に向かって建てられており風が気持ちよく感じられた。

▼賞花亭から見た池
賞花亭からの眺め

外腰掛で見た四角の手水鉢と違い、賞花亭では丸型。

賞花亭の手水鉢

園林堂(おんりんどう)に向かう。

▼ツツジ(12月撮影)
桂離宮のツツジ

園林堂(おんりんどう)

園林堂が見えてきた。

桂離宮園林堂

園林堂の窓

本瓦葺宝形造り(ほんがわらほうぎょうづくり)屋根の持仏堂(じぶつどう)。

園林堂正面

額は後水尾上皇の宸筆。

園林堂の扁額

▼園林堂からの眺め
園林堂からの眺め

回遊式庭園なので、どこにいても美しい池を眺めることができる。

園林堂からの眺め2

園林堂からの眺め3

笑意軒(しょういけん)に向かう。

桂離宮の石橋

桂離宮笑意軒までの景色

▼園林堂遠景
園林堂遠景

笑意軒(しょういけん)

笑意軒

笑意軒は切り石を直線的に畳んだ人工的な汀線に面した田舎家風の茶室。
茅葺寄棟造りの屋根に、杮葺(こけらぶき)の廂(ひさし)を付けた開口の長い建物となっている。
慈照寺銀閣の屋根も杮葺きだったね。

笑意軒の窓

20人でまわっていると、なかなか撮影できないんだよ(笑)

▼窓の向こう側は田んぼで、外部委託で稲を育ててもらっている。

笑意軒内部

ここからの眺めのために、手の込んだこともされているわけだ。

笑意軒向こう側の田んぼ

笑意軒内部斜め

素晴らしい。

書院に向かう。

▼書院に行く前にある広場。

桂離宮書院前の練習場

馬術や弓の練習場だったとか。

書院(新御殿・楽器の間・中書院・古書院)

桂離宮書院

ジグザグに4棟あり、左から新御殿・楽器の間・中書院・古書院となっている。
ジグザグであることですべてが角部屋で、窓を多くできることや騒音の問題などが起きにくい。
内部は非公開。

▼古書院の懸魚(げぎょ)
古書院の懸魚

月見台(つきみだい)

古書院には月見台がある。

桂離宮古書院の月見台

竹簀子で作られており、月見はもとより、苑内の景観が一望できる。
納涼の設備でもある。

▼月見台前の池
桂離宮月見台からの池

▼古書院前、中島への橋(中島へは立ち入り禁止)
桂離宮の中島

▼古書院側から見た松琴亭
古書院前からの景色

月波楼(げっぱろう)

月波楼

月波楼内部

月波楼屋根

▼「歌月」と書かれてある額は霊元天皇の宸筆。

月波楼内部3

▼襖の絵は楓のようだ。

月波楼内部4

▼窓の外から見える築山は紅葉の山なのだ。

月波楼内部2

▼苑内でよく見る魚子垣(ななこがき)?
魚子垣

苑内では写真のように丸型の垣根を見るが、ななこ垣にしては重なりが浅く、栗林公園のものとは少し違う。

御輿寄(おこしよせ)

桂離宮御輿寄

書院の玄関で、延段が苑内では見られない構成であるところが見所。
4段の階段を上るとある靴脱ぎの石は広く、6人まで置けるので「六つの沓脱(くつぬぎ)」という。

中門

桂離宮中門

さて、中門をくぐると、最初の入り口に行き、そこから退出する。

桂離宮の山茶花2

大変親切で優しいガイドの方、ありがとうございました。

まとめ

とても素敵な庭園で、さすが庭園ランキング2位。
順位が2位だという先入観を持たずとも、感動したであろう。

栗林公園は2つ、桂離宮では4つの茶室がある。
4つの茶室はそれぞれ趣向が異なり、私は茶道を始めたくなってしまった。

桂離宮では各施設は見るだけ、非公開のものもあり通行も制限されているが、それらが格式の高さを醸し出している。
栗林公園は各施設を利用でき、どの道も通ることができるが、それもまた良いことだと思った。

栗林公園の橋や池、各施設などにはほぼすべてに名前が付けられているが、桂離宮では池、橋には名前がない。(あるのかな?)
あるのであれば、今後パンフレットに掲載した方がもっと格調の高さを醸し出せるのではないかと考える。
(ないのであれば名前を付けるとか)

また他の庭園に行き、比較しながら楽しみたいと思う。
ガイドの方をはじめ、桂離宮関係者の皆様、ありがとうございました。

   
 

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