高松三越「北海道物産展」で、予期せぬ敗北と至高の昼下がり

高松三越「北海道物産展」で、予期せぬ敗北と至高の昼下がり

明確な殺意(カニへの執着)を持って、高松三越へと向かっていた。

ターゲットは「北海道物産展」。
期間は2026年9月18日(金)~10月5日(月)ね。

以前、香川県でカニを満足できるほど食べられるか検証したときのこと。

今後は、香川県でカニを食べるなら、北海道物産展しかないと思っていた。

カニってさ、何かと高額だよね。
北海道に行けば解決するけど、カニ目的ならコスパが悪い。
日本海に行く、冷凍の商品を購入する、いろいろ体験したけど全部だめ。

私が算出した答えはやはり高松三越の北海道物産展のみ。

ずっと待っていたんだけどようやく北海道物産展。

■秋の北海道大収穫祭|高松三越

しかしいつもと違って、カニが目立ってないな・・・

高松三越、北の熱気とカニへの執念

土曜日の朝一、ブースによっては大行列。

でもカニを売っているコーナーはすぐに購入できそう。
3番目くらいで待っていたよ。

高松三越北海道物産展

高松三越北海道物産展2

午前中の物産展会場は熱気で満ちていた。

色鮮やかな海鮮のショーケース、立ち上る香ばしい匂い。

私の視線は、ただ一点、カニがこれでもかとドッサリ載った弁当へと注がれていた。

「今日はカニだけを、徹底的に喰らう」。

昨夜の餃子2人前という孤独な美学に続き、今日はカニという贅沢な暴力に身を委ねるつもりだった。

「ロックじゃない」自分への失望、そしてカニの反乱

高松三越北海道物産展のカニ

しかし、人間という生き物は、かくも脆弱で、誘惑に弱い。

注文の順番が回ってきたその瞬間、私の指は、カニ特化の弁当ではなく、なぜか「ウニ・イクラ・カニの三食丼」を指さしていた。

「……三食丼で」

口から出た言葉に、自分自身が一番驚いた。

カニへの純粋な愛を貫けなかった、その浮気心。

全然ロックじゃない。

昨夜の、おでん鍋の仕切りに感じた完璧な調和とは正反対の、意志の弱さ。

敗北感を抱えながら、私は丼を持ち帰った。

そして、開封の儀。

美しく三分割されているはずのその丼は、持ち運びの衝撃のせいか、カニさんが境界を越え、ウニやイクラの領分へと侵攻していた。

高松三越北海道物産展のカニ2
なんということでしょう?
カニさんが暴れてイクラ・ウニさんが見えなくなってる!!!!

まるで、私の心の動揺を体現するかのような、カニの反乱。

昼下がりの背徳。ウニ・イクラ・カニと、ビールの狂宴

ビール

だけど、その敗北感も、黄金色の液体を前にすれば霧散した。

まずは、冷たく汗をかいたビール。

水滴のついたジョッキに口を寄せ、喉の奥に流し込む。

昨夜の最初のビールと同様、一瞬で心が解放される。

カニのほぐし身ウマ~!!!

カニを小さな丼の上で逃がす。
ウニとイクラを発掘。

濃厚なウニ、弾けるイクラ。

これらをビールで流し込む。
……死ぬかと思うくらいの体験。

「敗北」などという言葉は、この旨さの前には無力。

昨夜の餃子のサクサク感とは違う、口の中でとろける北の恵み。

痛風という未来への恐怖すら、この一瞬の至福には勝てない。
※過去3回くらい痛風になってます・・・

ロックじゃない自分を、北の大地が優しく包み込んでくれるかのようだ。

カニ一色のものより、やはり三色で正解だったの、か?

塩辛と「綾菊」。米への完璧な着地点、そして即死

綾菊純米吟醸

祭りのあと。
丼には、トッピングを失った純白の米だけが残った。

ここからが、孤独な男の真骨頂である。

私は、物産展で別途購入していた「イカの塩辛」を、残った米の上に静かに投入した。
これは計画通り。

そして、合わせるのは昨夜の岩手の酒ではなく、地酒「綾菊 純米吟醸」だ。

その酒を片手に、塩辛の塩気と米の甘みを噛み締める。

……即死。

これは、昨夜のおでん出汁の優しさとは違う、地酒と発酵の力強いパンチだ。
完璧な着地点。

昨夜の瓦町、今日の三越。
孤独と贅沢、敗北と至高。
連休の始まりを告げる、この混沌とした怠惰こそが、今の私に許された最大の美学。

明日からの予定は、まだ決まっていない。

だけど、この心地よい酔いがある限り、どこへ向かっても、そこが「前」になるような気がした。
※ここで言う「前」とは、前回の記事を参照のこと。

子供のころ、北海道に住んでいて、魚介類を飽きるほど食べていた。
もちろん瀬戸内海の魚介も美味しいけど、北海道に憧れるな。