下津井散策「むかし下津井回船問屋」

下津井漁業組合の店のお隣には「むかし下津井回船問屋」がある。

むかし下津井回船問屋外観

下津井は江戸時代から明治にかけて活躍した北前船で賑わった時期があり、当時の歴史に関わる資料が展示されている。

むかし下津井回船問屋家紋

北前船をイメージした家紋。

何と反対にするとフクロウに。

家紋逆さ

フクロウは福を呼ぶ縁起が良い鳥なのでこのようなデザインになったのだとか。

さて、施設内をまわっていこう。

母屋

入館するとまず母屋だ。

むかし下津井回船問屋室内

ひな人形が飾られてあった。

ひな人形

レトロな感じがすごく良い。

タンス

時計

ガイドさんの説明で興味深かかったことはこの船箪笥(ふなだんす)。

船箪笥

これは顧客台帳やお金などが入れられた金庫で、主に桐(きり)でできている。
前面は鉄製。

水に浮くんだけど、ただ浮いただけでは浸水して沈んでしまう。
前面が鉄で重く常に下に向くことによって浸水しない設計になっている。

船が沈んでも、船箪笥だけは陸に打ち上げられる。

当時、打ち上げられた船箪笥を持ち主に届けたら、家一軒分くらいのお礼があったそうで、それで建てられた家を「船箪笥御殿」と呼ばれた。
船が沈んでも顧客台帳さえあれば、また再生が可能なわけだ。

この船箪笥は「開運!なんでも鑑定団」で100万円は下らないだろうと鑑定されたもの。

むかし下津井回船問屋の猫

あら、ガイドさんが説明してくれているのに堂々と猫さんが入って来たよ。

白黒猫

非常にマイペースな猫さんだ。

2Fに上がると、貴重な資料がいっぱいあった。

むかし下津井回船問屋母屋2階

特に注目したのは与謝野晶子、与謝野鉄幹の短冊。

短冊

左から「与謝野鉄幹」、「与謝野晶子」、「土師清二」。

与謝野鉄幹の短歌

「頂の 岩の啼(な)くやと 暮れて聴く 久須見の埼の 山ほととぎす」

与謝野晶子の短歌

「美しき 島あまた浮く 海を見て あり下津井の 松原の家」

土師清二の短歌

「さくら鯛 紫紺の色に 光けり」

蔵さろん

回船問屋の衣装蔵を復元したもの。

蔵さろん

蔵さろん中

しょっぴんぐばざーる館

しょっぴんぐばざーる館

ここは売店で、店員さんが商品についていろいろ説明してくださった。

マイナーな場所で、県立の施設のためあまり宣伝がされず、お客さんがあまり来てくれないとのことだ。

ブログで紹介することを約束してきた。

干したダコ

10月から1月くらいまで、このように干したタコが風物詩となる。

下津井の干しタコ

いんふぉめーしょん館

いんふぉめーしょん館

下津井のむかしから今日までの生活と風景をパネルやビデオで紹介している。

北前船

その他

「蔵ほーる」はカフェ、「おーぷんきっちん」は食堂。

入館料と営業時間

むかし下津井回船問屋営業時間

まとめ

いつも通り過ぎている下津井だけど、時間に余裕ができてようやく来ることができた。

なぜもっと早く来なかったのかと後悔している。

静かでとてもいい場所だね。