伏水酒蔵小路『十八蔵のきき酒セット「粋酔(きっすい)」』で日本酒の新たな楽しみ方を発見
京都市伏見区は水がおいしく豊富であり、酒造地としても全国的に有名な場所。
以前伏見を訪れた時に行きたかった伏水酒蔵小路(ふしみさかぐらこうじ)さんは休業日だった・・・
今回やっと行くことができた。
前々日に予約をしたのだけど、希望する時間とテーブル席の予約をできずカウンター席となった。
早めの予約をおすすめする。
予約ページは以下からどうぞ。
『十八蔵のきき酒セット「粋酔(きっすい)」』というメニューがあって、伏見にある18蔵のお酒を楽しむことができる。
伏見には23の酒蔵があって、「粋酔」のメニュー内容はその中から選ばれ定期的に入れ替わる。
店内に入るとお酒がたくさん並んでいてテンションが上がる。
18蔵のお酒を飲むことができるコーナーがカウンター席とテーブル席に分けられている。
奇麗に並べられた1升瓶たち、美しいね。
また、屋台の区画とカウンターやテーブル席との間に通路ができている。
これを「小路」と言うのかな。
各屋台でも飲食ができるんだけど、カウンター席やテーブル席を予約をすると料理などを持ってきてくれるところがメリット。
予約をしなくても屋台側なら座れたのかな。
ここでは利き酒と多少のおつまみで良かったので、とりあえず予約をしたカウンター席について注文しよう。
私は2人だったので、カウンター席でも問題はなかったね。
利き酒よりもまず喉が渇いたのですぐに飲める日本酒を注文。
辛口か甘口かなど、好みを伝えるとソムリエさんが多数のメニューの中から素早くおすすめを提示してくれる。
テンポが良くて気持ちがいい。
おいしい。
よく冷えていて渇いた喉に染みる。
さて利き酒セットを注文。
1つ20ccで18杯。
合計360ccなので量はそんなに多くない。
比べて飲むとお酒ってこんなに楽しいものなのかと初めて思った。
ちょっと感動。(いやかなり)
18種の内容は定期的に変更される。
自宅でもやってみたいけど初期投資激高(笑)
残念なことに、後で知った以下の説明を。
「和らぎ水」のすすめ
一升の酒に、八升の水がいるといわれる酒づくり。伏見は、かつて“伏水”とも書かれていたほどに、質の高い伏流水が豊富な地。桃山丘陵をくぐった清冽な水が、水脈となって地下に深く息づき、山麓近くで湧き水となってあらわれます。この天然の良水を日本酒の合間にいただくのが「和らぎ水」。「十八蔵の利き酒セット 粋酔」には、そんな「和らぎ水」がついてきます。
インパクトのある18種のお酒の横に、そう言えばチェイサーのような水が横にあったよ。
あれが「和らぎ水」だったんだね。
ただの水だと思っていた・・・
感性が足りないねぇ・・・
もっと味わって飲みたかった。
セットに付いていた鯖の酒粕漬、これもお酒によく合う。
利き酒とセットで2,790円だった。
もうちょっとおつまみが欲しくてチーズを注文。
日本酒を本当においしく飲むことができる料理を置いているね。
さて、利き酒18種を詳しく見ていこう。
左上から下に向けて順番に飲んでいくことをすすめられた。
冷酒向けから常温向けに向かっていくのだとか。
以下伏水酒蔵小路の各説明書きと、Googleマップの店舗情報を掲載する。
掲載順はおすすめの順番だよ。
「和らぎ水」と、お酒の解説をよく読み、比較しながら飲むともっと美味しく、楽しくなると思うので掲載しておくよ(^^♪
※私が訪れてから、伏見酒造組合から新たに加わったり外れた酒蔵もある。
北川本家・富翁「プルミエアムール」(純米酒)
白ワインにも似た甘酸っぱい純米酒。フレンチやイタリアンに合わせてグラスでお飲みいただける今までにない味わいの日本酒です。
説明通り、一瞬日本酒とは思えない口当たりだった。
増田德兵衞商店・祝米「にごり酒」(純米大吟醸)
にごり酒の中でも最もぜいたくな気品あふれる、フレッシュでシャープな味わいをもつ純米大吟醸にごり酒、正に「米のスパークリング」をお楽しみください。
セットの中で唯一のにごり酒、私の中でかなりの上位。
月桂冠「京の輝き」(大吟醸)
華やかな香りと淡麗ですっきりとした辛口の味わいの月桂冠「大吟醸」。京都産米「京の輝き」を800使用して醸造し、伏水で仕込んだ「京都」こだわりの商品です。
新潟県長岡市にある「久保田」を造る朝日酒造さんを見学した時に、おいしい米が必ずしもおいしい酒を生むとは限らないと教わったけど、「京の輝き」で作られたお酒、かなりおいしかったよ。
城陽酒造・城陽「純米大吟醸45」
京都産「五百万石」を45%まで磨き上げ仕込んだ純米大吟醸です。深い味わいと爽やかでフルーティな果実を思わせる吟香がお楽しみ頂けます。
磨き上げ部分が多いほどおいしくなる。
とれる量が少なくなり高額なお酒になるんだよね。
京姫酒造・京姫「匠」(純米吟醸)
ほのかに香る吟醸香と米本来の旨味、伏水で醸したやわらかな口あたりの純米吟醸酒。
米本来のうまみ、その通り。
吟醸香は低温発酵することで生まれる。
齊藤酒造・英勲「古都千年」(純米吟醸)
きりっとした口当たりの中にもふくらみのある味わいと程よい吟醸香がたつ飲みごたえのあるお酒です。
説明書きを考える方々はいい表現をするものだ。
玉乃光酒造・玉乃光「備前雄町」(純米大吟醸)
雄町米特有の自然なやわらかい香り、天然の酸味と雄町米の旨味が調和した飲み口、ふっくらした厚みを感じさせるボディ。いつまでも、飲み飽きない逸品です。
このキャッチが一番素敵~
山本本家・神聖「松の翠」(純米大吟醸)
表千家而妙斎千宗左家元の御銘の茶懐石用のお酒。燗にも適した純米大吟醸。
お茶懐石のお酒なので、高級感と料理と合うという実用性を兼ね備えたお酒。
とても感動。
鶴正酒造「古都の雫」(純米大吟醸)
清酒の最高峰を気軽に味わっていただくために最大限の努力をしました。華やかで果物のような香りとすっきりとした後味が特徴です。
その努力、とても伝わってきました(^^♪
都鶴酒造「都鶴」(純米吟醸)
米のうまみがしっかりと感じられる味。
説明がシンプルなところが気に入った。
飲んで納得!
松本酒造「桃の雫 愛山」(純米酒)
高級酒米「愛山(あいやま)」で仕込んだ唯一無二の純米酒。独特の酸味とキレの良さが特徴です。
この手のタイプはあまり飲んだことがないので新鮮だった。
美味しかったよ~
東山酒造「魯山人」(特別純米原酒)
京都産「祝」を800使用し、伏見の銘水「伏水」で、杜氏が魂を込めて造り上げた特別純米原酒。個性的なふくらみのある旨さが楽しめる濃酵辛口です。
いや~杜氏の意気込みを感じながら飲むとお酒もまた美味し。
宝酒造・特選松竹梅「山田錦」(特別純米・辛口)
後味にキレがあって飲みやすく、食事にも合わせやすいすっきり辛口の味わいに仕上げました。
香川県に帰ってからも買って飲んだよ(^^♪
招德酒造「落花 生酛」(特別純米酒)
招德酒造さんの「德」は旧字体。
「徳」ではないのでご注意を。
自然の乳酸菌の力を利用した酒造りの伝統の技「生もと造り」で仕込んだ特別純米酒です。
一口のお酒といっても、作り方にもいろいろあることを知った。
山本勘蔵商店・特撰「鷹取」(本醸造)
淡麗でまろやかな深みのある味わいです。濃い味のお料理によく合います。
もちろん濃い味でも、薄い味、つまみなしでも美味しいと思うよ。
キンシ正宗・上撰 銀閣「荒武者」
キリッとした味わいとキレの良さで料理にもよく合う味わい。
ここまでくるといい意味で説明に酔うよ。
表現力もさることながら、商品の価値がやっぱり高いんだな。
豊澤本店・豊祝「生原酒」(低温熟成)
料理を引き立てる端麗辛口な味わい。
最初から料理をたてている表現も面白い。
お酒を楽しみながら各会社の姿勢というものが見えてくる。
黄桜「花祥風」(大吟醸)
「山田錦」を精米35%まで丸三昼夜丁寧に磨き、厳格な時間管理を持って吸水し蒸し上げ、黄桜独自の吟醸酵母を用いて低温発酵を行い丁寧に仕上げました。
ずっと「黄桜」はCMで刷り込まれている(笑)
こんなに美味しいなんて知らなかった。
まとめ
各酒蔵の表現がそれぞれで楽しい。
手抜き(笑)っぽいのもあるんだけど(失礼)、「飲めば分かるよね?」って語りかけてくるお酒もある。
手抜きではなく、言葉はいらないという心のこもった言葉だと感じた。
次回京都に訪れた時は上記の酒蔵巡りも楽しいと思う。
▼個別に見るのもいいけど、伏見の酒蔵・蔵元を1つの地図でまとめてみた。
伏水酒蔵小路さんの飲み比べに今回なかった酒蔵と色分けしている。
利き酒にはなかった藤岡酒蔵さんのBarはガラス越しに仕込み蔵を見ながら搾りたてのお酒が飲めるBarカウンターなのだ。
お酒の生まれる場所で生まれたてのお酒を飲めるって素敵すぎる~
次は藤岡酒蔵さんに絶対行こ。