Googleマップの便利さと、私たちが気をつけたい「情報の罠」

1. Googleマップは現代の「魔法の羅針盤」

Googleマップ、本当に便利です。
私は毎日のように愛用しています。

行きたいお店を検索すれば、現在地から迷うことなく入り口まで連れて行ってくれます。

メニューや店内の雰囲気も、充実した写真を見れば行く前からワクワクできます。

見知らぬ土地でも、これさえあれば安心して美味しいものに出会えます。
まさに現代の魔法の羅針盤です。

でも、そんな素晴らしいツールだからこそ、少し使い方を間違えると、誰かを深く傷つける刃になってしまうことがあるのをご存知でしょうか。

2. 「味覚を疑う」という言葉が奪うもの

Googleマップを見ていて、一番心が痛むのが心無いレビューに出会った時です。

自分が心から美味しいと思い、大好きなお店に対して、「こんなまずい店を美味しいって言ってる人の味覚を疑う」といった書き込みを見つけると、お店への侮辱だけでなく、まるで自分自身の人格や感性まで否定されたような悲しい気持ちになります。

味覚は人それぞれです。
自分の口に合わなかったことを「不味い」と断定し、あろうことか他の客の味覚まで攻撃するのは、単なる傲慢でしかありません。

「自分には合わなかったけれど、好きな人もいるんだな」という想像力を持つこと。

それが、顔の見えないインターネットで私たちが最低限持つべきマナーではないでしょうか。

3. 「警告」という名の歪んだ正義感

レビューを読んでいると、「こんな思いをするなら行かない方がいいですよ」と、他人に忠告するような書き込みをよく目にします。

彼らはきっと、自分と同じ失敗を他の人にさせまいとする“親切心”から、お店を痛烈に批判しているのでしょう。

しかし、味の好みも、接客に求める距離感も、人によって全く異なります。

「静かに放っておいてほしい」客にとっては、愛想のない接客が心地よいことすらあるのです。

自分の価値観だけを絶対の正解とし、親切のつもりでお店の存在価値まで否定してしまう。

それは正義などではなく、ただの暴力的な押し付けになってしまっていないでしょうか。

4. 情報のズレは誰の責任?お店側の理不尽な現実

もう一つ、レビューでよく見かけるのが「営業時間内に行ったのに閉まっていた!最低!」という怒りの書き込みです。

実はGoogleマップの店舗情報は、一般のユーザーが書き換えられたり、AIが古い情報を拾って勝手に更新してしまうことがあります。

職人肌の店主がネットに無頓着で、自分の店が載っていることすら知らないケースも多いのです。

つまり「お店側が全く知らないところで誤情報が流され、勝手に怒られている」という理不尽な状況も発生しています。

これでお店を一方的に責めるのは、少し酷な話です。

5. 「インスタ見てね」が切り捨てるもの。お店側の責任とは

しかし一方で、情報発信においてお店側にも「想像力」が欠けていると感じる場面が最近とても増えました。

例えば、Googleマップの営業時間通りに足を運んだのに「臨時休業」の札。

公式Instagramを見ると「今日はマルシェに出店しています」の文字。

体調不良などの急な休業なら全く問題ありません。

しかし、事前に分かっているイベント出店のために店舗を閉め、わざわざ足を運んでくれたお客さんより新規開拓を優先する姿勢には、モヤモヤしてしまいます。

また、お店でこんなことを言われた経験もあります。
「今日のランチはパンランチだけ。インスタに書いとったやろ?」
「え?インスタやってない人おるん?」

さらに、昔から好きだったパン屋さんが移転し、「注文はインスタかLINEのみ」に限定してしまったという話も聞きました。

SNSをやらない、あるいはやれない事情がある人をあっさりと切り捨ててしまう。

「自分たちが無料で手軽に使えるツールだから、客も全員使っていて当然」という前提に立つのは、お店側の都合の押し付けではないでしょうか。

6. ツールに振り回されず、想像力と感性を大切に

結局のところ、客側の攻撃的なレビューも、店側の「インスタに書いたからいいでしょ」という態度も、根っこは同じです。

「自分とは違う価値観や、違う環境にいる他者への想像力が欠けている」という一点に尽きます。

ネットは万能ではありません。

お客さんは、誤った情報があるかもしれないという裏側を想像する優しさを。

お店側は、SNSを見られないお客さんがいるという事実を忘れない配慮を。

GoogleマップもSNSも、ただのツールに過ぎません。

便利な魔法の羅針盤に振り回されることなく、お互いへの少しの思いやりを持って、美味しいごはんに笑顔で向き合いたいものですね。




その他のInformation

More